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だから、ねぇ、こんなに幸せなんだよ。 ドラマチック たくさんの足音がこっちに向かってきている。 (頭、痛い。) 「?入るわよ?」 知らない声だ。 (綺麗な声だな。) 「はい、どう・・・ぞ。」 「?大丈夫?シリウスのことは思い出せた?」 「大変だったんだよ。リリーは君の心配ばかりしていてね。」 「そうだよ!僕のことなんか二の次でさ!」 「そう・・なんですか。」 やっと口を挟めた。この人たち、早口すぎる。 ってそんな問題じゃなくて、私この人たちみんな知らない。 「?」 この人たちと友達になった記憶はない。 「失礼だって分かってるんですけど・・・あなたたちは一体・・・誰、なんですか?」 言ってしまった。 心配してくれてるのは目に見えて分かるしとても嬉しいけど 私はこの中の誰のことも知らないのにこの人たちは私を知ってるなんて少し気味が悪い。 「?どうしちゃったの?」 「悪い冗談なんかに僕は騙されないよ!」 「冗談じゃ・・・ないんです。本当に分からない。」 そんなに無理して笑いかけられたって私は全然笑えないし、冗談を言った覚えもない。 「嘘・・・だよね?」 「いや・・・嘘よ・・・そんなのって」 「本当に、本当に何も思い出せないのかい?」 「さっき一緒に話したばかりじゃないか。」 「そんな冗談、僕だって引っ掛からないよ!」 そんなにオロオロしなくても良いじゃない。 誰のことも分からない。 あなたたちは誰? 「ごめ・・んなさい。少し・・・一人に・・・してくださ・・い。」 「!」 どんなに名前を呼んだって、私が誰のことも知らないのは事実なのに。 (うるさいうるさい静かにして。) 「お願いだから・・・出て行って。」 あの人たちは何か言いたそうにしながら医務室を出て行った。 女の子の呆然とした顔と涙が頭から離れない。 (私には関係ないのに。) 布団を頭まで被って全てから現実逃避。 何も欲しくない。 * すごく急いだ様子で医務室のドアが開いた。 (別にどうでもいいか。) 「!早く外に出るんだ!」 さっきの人たちだ。 (今はひとりでいたい。) 「放っておいて。」 「何、馬鹿なこと言ってるんだよ!ディメンターだ!」 ディメンター?何を冗談。 「嘘じゃない!早くしてくれ!追いつかれてしまう!」 何だか、おかしかった。 知らない人のために一生懸命な彼らが。 「どうしてそんなに一生懸命なの?私なんて放ってさっさと逃げれば良い。」 思ったままを紡ぐ。きっと彼らは嫌な気分になった。 「放っておけないよ。君は僕らにとって大切な存在だからね。」 鳶色の髪をした男の子が言う。(嫌な気分になったはずなのに。) 大切の定理が私には分からない。 「わからない!私はあなたたちのことを知らないのにどうして!」 それは叫びに近くて。 「わからなくてもいい。ただ、俺たちはのことをすごく大事に思ってる。それだけだ。」 「そんなの・・・」 悪寒が走った。何か幸せな思い出が全て取り上げられてしまうようなそんな感じ。 (本当にディメンターだ・・・・) 怖い。涙がまつ毛の手前までせりあがってきた。 涙で何も見えない。 「キャー!!!!」 彼女の悲鳴と私の体が動いたのとはほぼ同時だった。 Top Next→ |