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「せっかく協力してあげたのにあなたはそれを全て悪いようにしてしまったのよ。」 真っ暗な世界。響いたのは女の声。 「?」 この声は、よく知ってる。 「残念ね。私はであってじゃないもの。」 「何、言ってるんだよ。」 彼女がこっちを向いた。姿も声もだ。 「私にはあるのよ。」 「何が。」 「記憶。シリウスもリリーもジェームズもリーマスもピーターも分かる。・・・でも、彼女にはそれがない。」 「は、俺以外のことは覚えてるよ。」 「私が奪ったのよ。辛そうな彼女を見ていたくなくて・・・ね。」 「どういう意味だ?それ。」 「そのままじゃない。彼女はあなたたち5人を綺麗さっぱり忘れてる。」 「お前は持ってるのに?」 「そんなに疑うならみんなで本物の彼女のところへ行ってあげればいいのよ。」 「言われなくてもそうするよ。」 「じゃあね。わたしはこれでさよならするわ。」 「なっ、おい!」 綺麗な髪をなびかせたまま彼女は深い闇の中へ消えてしまった。 「 耳元で、声がする。 多分、これはプロングズだ。 瞼が重い。体もだ。(下を見るとプロングズが俺に馬乗りになっていた。) 「ここにいたのかい?」 「私たち、朝食の前にのお見舞いに行こうと思ってるんだけど。」 「もちろん、、、パッドフットも行くよね?」 「あぁ、当たり前・・・だろ。(ムーニー怖えぇ。)」 「じゃあ、早速行こうよ!」 ムーニーお願いだから、その笑顔をこっちに向けないでくれ。 「?入るわよ?」 「はい、どう・・・ぞ。」 の顔を見たときから嫌な予感はしてたんだ。 「?大丈夫?シリウスのことは思い出せた?」 「大変だったんだよ。リリーは君の心配ばかりしていてね。」 「そうだよ!僕のことなんか二の次でさ!」 「そう・・なんですか。」 「?」 「失礼だって分かってるんですけど・・・あなたたちは一体・・・誰、なんですか?」 みんなの顔が驚きに変わった。 まるで、時間が止まってしまったようなそんな感じ。 「?どうしちゃったの?」 「悪い冗談なんかに僕は騙されないよ!」 「冗談じゃ・・・ないんです。本当に分からない。」 「嘘・・・だよね?」 「いや・・・嘘よ・・・そんなのって」 とうとうリリーは泣き出してしまった。 「本当に、本当に何も思い出せないのかい?」 「さっき一緒に話したばかりじゃないか。」 「そんな冗談、僕だって引っ掛からないよ!」 「ごめ・・んなさい。少し・・・一人に・・・してくださ・・い。」 「!」 「お願いだから・・・出て行って。」 その時、俺たちは初めてから拒絶の声を聞いた。 (あいつの言ってることは本当だったんだ。) ・・・そしてそのまま泣いているリリーをプロングズが抱きしめるようにして、俺たちは医務室を出た。 * 「とりあえず、談話室へ戻ろう。こんなリリーをみんなには見せたくないしね。」 「うん、僕も朝ごはんを食べる気がしないよ。」 談話室に戻る途中、誰も口を開こうとしない。 (ピーターは何とか受け答えしていたようだけど。) 「おーい!君たち!残ってるのは君たちだけなんだ!」 「どうしたんですか?」 前から歩いてきたのはレイヴンクローの監督生で酷く焦った顔をしていた。 「追いつかれなくて良かったよ。実は、君たちが来た方の方角でディメンターが発見されたんだ。」 「ホグワーツにディメンターが!?」 「本当に・・・俺たちで残ってるのは最後なんですか?」 「あぁ。医務室に誰も入院してないならね。」 「もし、してたら?」 「残ってるかも知れない。」 「そんな!」 「早くドアに向かって逃げるんだ。とりあえず、僕はもう行くよ。」 監督生はそう言うと本当に走って行ってしまった。 「を助けるんだ!」 「でも、私たちは・・・に拒絶されてしまったわ。」 「記憶がないからだろ?そんなのは取り返せば良い話じゃないか。少なくともそんなのは大きな問題じゃない。」 「・・・そうね。私は、世界で一番、が大好きだわ。」 「ムーニーの言う通りだな。・・・行こうぜ。」 「うん!でも、リリー!僕は君が特別に大事なのに!」 「ジェームズ、今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?」 来た道を返す。ジェームズもリーマスもピーターもリリーも、もちろん俺だってかなり真剣だ。 『シリウス!私、今とっても幸せなの!』 『ちょっと悪戯が過ぎたのよジェームズ。リリーに謝らないとね。』 『リーマスの淹れる紅茶って本当に美味しいよね。私、大好き!』 『ピーター、魔法薬学のレポート一緒にやらない?』 『リリー!私、あなたのこと、とっても大好きよ!きっと世界で一番!』 俺には・・・俺たちには・・・がいなくちゃダメなんだ。 だから全てを取り戻すには俺たちみんながいなくちゃな。 太陽みたいなキミがみんな大好きなんだ。 (20080202) Top Next→ |