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どうしてあの人と居る時の私、あんなに満ちたりた顔をしているの? 「シリウス!」 彼女が慈しむように彼を見つめる。(だってあれは、私であって私じゃないのよ。) 正直、とてもびっくりした。 彼は、、、とても優しい目をしてた。 全てを包み込むような、そんな優しい目。 (どうして、あんな顔・・・。) 「 「 「 「じ 「おぅ。」 耳が急におかしくなって、まわりの音がみんな滲んだ。 あなたは私に何を言った? 私はあなたに何を誓った? 分からないことが多すぎて余計に頭が混乱しそう。 「シリウス!」 (何故あなたはそんなに幸せそうな顔で彼の名を呼ぶの?) 『探しなさい。待っているだけじゃ世界は変わりません。』 『見つけなさい。答えは意外と近くにあるものなのよ?』 頭に響いたこの声が私の心を確かに動かしたんだ。 目覚めたら白の世界だった。 (やっぱり医務室なのね。) 体を起こす。頬が冷たい。 (私、泣いてた?) 『探しなさい。待っているだけじゃ世界は変わりません。』 そうだ。今、マダムポンプリーは留守にしているようだし(最近、忙しいのかしら?) 少しだけ、少しだけここを抜け出そう。 (待っているだけじゃ何も、、、何も変わらないわ。) 朝のホグワーツ城は何だか別世界のようで。 私がひとりきりになってしまったよう。 (あ、隠れなきゃ!) 前から女の子の集団がやってきたから、バレちゃいけないと思った私は咄嗟に近くの柱の影に隠れた。 「本当、あの女、目障りよね。」 「本当よ。シリウスも何であんな女がいいのかしら。」 「あの女さえいなければシリウスはファンのものなのに。」 「なんか消えちゃえば良いのよ。」 私・・・・ってグリフィンドールにもホグワーツにも私しかいないじゃない。 ねぇ、私、彼のせいで嫌われてるの? シリウスってあの人よね? (彼は私に何をしたの?) 女の子たちは私には気付かないでそのまま、、、何処かへ行ってしまった。 私には落ち着きたくなると中庭の木の幹に座るっていう癖がある。 ・・・今が、まさにその最中。 (シリウスって私の何?彼と友達だから私は嫌われてるの?) 「?!・・・入院中じゃないのかい?」 「リーマス!私、何ともないのよ?」 「今週いっぱい入院だって聞いてたんだけど。」 「細かいことは気にしないで。医務室って最高につまらない場所なの。」 「マダムポンプリーは?」 「どっか行っちゃったみたい。」 前から歩いて来たのはリーマスで、私を見つけた途端ひどく驚いた顔をした。 (人をオバケみたいに!) 「ところで、、、君、本当にシリウスのこと忘れちゃったの?」 「多分、忘れてるみたい。」 リーマスのその表情を見て、私は心に鉛がおちたような感覚になった。 みんな、私が彼を忘れていることに驚きが隠せないみたいで。 (どうしてそんな顔をするの?) 「思ってることがあるなら僕に言ってみてよ。力になれるかも知れない。」 本当の私の気持ちをリーマスに打ち明けても良いのかな? 彼を、シリウスを思い出すのが・・・怖いだなんて。 (彼についての話を聞けば聞くほど思い出すのが怖くなってしまう私。どうすればいいの?) 過ぎ去った時間を返して。 (20080119) Top Next→ |