ドリーム小説



視線が、痛い。






沈黙が続いている。私は彼を彼は私を見つめたままどちらも目線を外すことなく沈黙を守っている。私は内心どうすれば分からなくて困っているのだけどビルは余裕なものでニッコリ笑いながら視線をくれる。正直、どう反応していいか分からない。私も彼に答えてニッコリ笑った方がいいのだろうか?この赤く腫れた目で?・・・そんなことは無理だ。私は弱い。






「さっきも言ったけど。・・・俺か、チャーリーか、だ。」





沈黙は破られてしまった。それも私の予想していた通りビルの方からだ。(私はまるで岩のように喋る気も動く気もなかった。)ビルは一体どういう考えで居るのだろう。私に何と言わせたいのだろう。分からないから困っている。あの告白を、あの約束を信じていいだろうか?もし信じて良いと言うのならそんなことは、






「そんなこと今更、愚問よ。」
「どうしてだい?」
「だって私は、ビルを信じるって決めたもの。」






心の声を無視してしまった。頭の中があいつでいっぱいになる。今更どうして。私は単純な生き物でいいから、彼女がいなくてカッコ良くていつも一緒にいてくれたけれど特別視は出来なかった彼に告白されて私も好きなんてそんな単純な思考でいいから欲しいのに。こんな時だけ複雑でかたくなになってるんじゃないわよ馬鹿。女は愛するより愛される方が良いんだから。ビルと付き合っていれば楽しいデートも出来るし優しくしてもらえるし来年から1年間寂しいけどそれが過ぎればずっと一緒にいられるじゃない。それに、あいつともし付き合えたとしてあいつの夢なんてドラゴンの研究をすることだしそんなの危険だし、デリカシーないしクィディッチ馬鹿だし魔法薬学が破滅的に出来なくていつも私に調合させるし、私が沈んでても馬鹿みたいに話しかけてくるし、無駄にデカイし、手はゴツゴツだし、女の子の扱いへったくそなのよ。






「俺を信じる?本当に?」
「えぇ、本当よ。」
「それじゃあ、俺が卒業してもチャーリーと必要以上に仲良くしないでほしい。」
「え?」
「俺もを信じてるけど、それでも俺だって嫉妬ぐらいするんだ。」
「・・・・えぇ。」





妙な間が生まれてしまった。ビルのお願いは、もし彼のことを大好きな彼女が聞けば泣いて喜ぶほどのものだ。だってさっきの台詞は遠まわしだけどたくさんの愛が詰まっている。・・・あれ?彼のことを大好きな彼女って私のはずなのに。まるで、その彼女の友達みたいな言い草だ。おかしい。私の心はさっきの台詞を嬉しいとも悲しいとも思わなかった。強いて言うならば痛い。とてもとても痛い。あれ?





「それじゃあ、キスでもしようか。」
「え!?・・・一体何のために!?」
「恋人同士がキスするのに理由が必要なのかい?」
「そういうわけじゃ・・ない・・けど。」




ビルの顔がどんどん近づいてくる。30センチ、20センチ、10センチ。嬉しいはずなのだ。だって私はビルが好きだか・・ら?好き?私がビルを?あれ?




「いやっ・・・」





我にかえったときにはもう、ビルとの距離が開いていた。





、正直になれよ。」
「・・・ビル。」
「ま、どっかの木偶の坊に好きな子をとられちまうってのは悔しいけど、」
「・・・・。」
「でも、元はと言えば俺がにちょっかいかけてた訳だし。」






ビルは笑っていた。本当ならもっとじめっとするはずの場なのに、これでもかっていうぐらい笑っていた。どうしたって私はビルを好きにならなかったんだろう。もし好きになれていたら1週間で別れてしまうなんてことなかっただろうし、キスだってもっと上手くやれてただろうし、授業だって休まなくて良かったし、あいつとローズとだって綺麗に笑って挨拶が出来ていただろうし、勉強を教えてもらったりして学年首席になれたかも知れないのに。(まぁ、天文学が出来ないけどね。)






「俺、こんなにカッコイイから振ったこと後悔するかもよ?」






笑顔で言う彼の手はあの時と同じで震えていて。今度はこの手を取ってあげることが出来ないんだって罪悪感にかられた。・・・でもそれじゃあ、彼の気遣いを無駄にしてしまうからって、『逃げ』だといわれたらそれまでだけど自分を弁護してみたりして。






「さぁ、俺かチャーリーか、選ぶんだ。」
「ビル私・・・「もし、」
「もしチャーリーを取るのなら俺をほって医務室に走れ。」
「・・・医務室?」
「あぁ。チャーリーは魔法薬学でやらかした「ごめんなさい!」






ビルの台詞を最後まで聞かずに走ってきてしまった。どんなに意地を張ってても、どんなに認めるのが悔しくても私は、やっぱりチャーリーが好きなんだ。危険なのにドラゴンの研究を夢見ててデリカシーなくてクィディッチ馬鹿で手がゴツゴツしてて魔法薬学が自分を医務室送りにするぐらい出来なくても、それでも私はチャーリーが好きなんだ。たくさん傷付いてたくさん泣いたけど、本当は私が傷つけて泣かせてばかりだった。泣くのをこらえて笑っていたけど、それを見つけてくれた人がいた。笑わせてくれる人がいた。私を好きだと言ってくれて背中まで押してくれた人がいた。私はその人の手を離してしまったけれど今度は後悔したくないから。







走れ走れ。息が苦しくたって足がもつれそうだって伝えたい言葉がまだ胸の中で燻ってるんだから。




(ビルーーーーー!!!(ア、レ?)  彼は男前です。最終話まであと2話かな?エクストラでビル目線とか書いてみたい。というか、これチャーリー連載のはずなのに今までだいぶビルに傾いてましたよね(苦笑)今でこそ、軌道修正しましたけど、ビルとチッスまでしちゃってるわけですし。(←嫌な言い方だなオイ。)もう少しで終わります。やっぱり最後ぐらいはチャーリーとイチャ付きたいよね!←)


(20080506)


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