|
その手で触れてほしいと触れたいとどれほど思っただろう。あの子が「ごめんね」と言った時に全てを諦めて封印した私。好きじゃない好きじゃない。意地を張らせて下さい。そうしないと壊れてしまいそうで。 「おはようローズ。も。」 「おはようチャーリー。」 「おはよう。」 こんな儀式のようなこと大嫌いだ。人はどうして挨拶を交わすのだろう。最近では、それすら疑問になってきた。何が悲しくて好きだった人とその彼女と3人でつるまなきゃいけないのだろう。 「!」 「おはよう、ビル。」 「クィディッチのことで相談があるんだよ。一緒に朝食に行かないか?」 「是非。」 「、行っちゃうの?」 「ごめんね。」 2人はそれを聞くと嬉しそうに腕を組んで談話室から出ていった。(悲しくなんてない。) 「お気遣いありがとう。」 「いえいえ。」 「朝食に行く?」 「その前に・・・」 「その前に?」 「朝の散歩と洒落込もうか。」 「散歩?」 「あぁ。大事な話がある。」 「クィディッチの?」 「まさか。もっと大事なことさ。」 そう言うとビルは私の手を引いて歩き出した。うららかな春の陽射しでさえも煩わしいそんな日。もう消えてしまいたいのだ。この腕に何度すがりたいと思ったのだろう。(そんなの迷惑だって分かってるのに。) 「俺、ここ好きなんだ。」 唐突に本当に唐突に、ビルが口を開いたのは湖の近くにある木の下でだった。 「そうなの?」 「そう。本当に好きな子に告白するときには、その子とふたりでここに来ようって思ってたんだよ。」 言葉の意味を理解するのに、たっぷり1分はかかった。 「同情ならやめてよ。」 口から出たのは全く可愛くない独白。第一、ビルは私の気持ちを知っているのだ。だからさっきもあんな風に助けてくれたのだし。それに彼はすごくモテる。私じゃなくたって、もっと可愛い子がたくさん居るはずだ。 「同情なんかじゃないさ。」 「ねぇ、ビルまで私を傷つけるの?」 「違う。」 「違わない。自分の弟のことを好きだった女をからかって楽し 「俺は本気なんだ。・・・が好きだよ。」 彼の目に射抜かれそうになった。・・・彼は本気だった。 「弱みに付け込むようでごめん。でも、これが良いチャンスだって思ったんだよ。」 「・・・いつから」 喉がヒュウと鳴って声がかすれた。彼の気迫に押し込められそうで少し怖い。 「がチャーリーを好きになるずっと前から。これでも恋愛相談受けながら傷ついてたんだぜ?」 気付かなかったろ。彼の声が響く。余裕があるのだと思っていた。私よりひとつだけ年上だなんて信じられないほど大人なのだ、と。そんな彼が今、私の目の前で表情を強張らせて少し震えている。(それは本人も気付かないほど少し。) 「震えてる。」 彼の手を取る。彼は・・・ビルは、大きく目を見開いた。 「?」 「幸せにしてくれるのよね?」 「もちろん。」 「・・・。」 「・・・世界で1番幸せにしてやるよ。」 この腕に何度すがりたいと思ったのだろう。もう後には引けないなんてこと痛いほど分かっている。これでいいのだ。きっと。後悔はしない。 (ビル夢?ノンノン!チャーリー夢!(・・・)そして、まさかのローズも固定です。←) (20080309) ←Top Next→ |