ドリーム小説




みんなの色が強すぎて自分だけが浮き上がっとるように思える。





新しい校舎と新しい制服。友達を作ろうと躍起になっとる女の子たち。何かめっちゃ滑稽に見える。こんなことばっかり思っとるからか上辺だけの友達すら出来へん。中学の頃、大好きやった親友と約束をした。「同じ高校行こな」なんて。結局は夢物語で終わった。あんな約束なんてせんだら良かった。くだらない。やけど胸が痛い。なんでなん。わからへん。友達は出来るのかとかクラスでの居場所はあるんやろかとかくだらんことばっかりが頭の中を支配しとる。





「はぁ。」
「溜息つくと幸せ逃げるんやで。」





不意に聞こえた声。誰もおらんやろなんてタカをくくっとったから思ったよりびっくりしてしもた。・・・それにしても、この人は誰なんやろ。新学期早々サボリやなんて、もしかしたら先輩かも知れへん。なかなかカッコイイ顔しとるからきっとクラスでキャーキャー言うてた女の子たち(理解に苦しむ。)が好きそうや。





「なぁ、さん。」
「なっ、何でうちの名前・・・!」
「自己紹介したやん。まさか、自分俺の名前知らんとか言うな「知らん。」
「何やそれー。俺、めっちゃ悲しいわぁ。」






・・・何やこいつ。自己紹介したゆうことは多分、同じクラスなんやろうけど。・・・それにしても大人っぽい。最近の男子は何でこんなに大人っぽいんやろ。この人なら高3でも通用しそうや。





「俺、白石蔵ノ介ゆうんや。」
「・・・・。」
「よろしゅう。さん。」
「・・・よろしく。」





綺麗に笑う人やと思った。






「自分、新学期早々疲れとんなぁ。」
「別に。」
「何やそれ、某女優やん。」
「そんなんちゃうわ。」
「冗談やって。・・・俺もたいがいキツイわぁ。」
「え?」
「友達作るのとか、色々と。」






びっくりした。今、目の前で調子良く喋っとる人がまさか、自分と同じようなことを考えとったなんて。





「俺、中学の頃テニスやっとったんやけどテニス部のやつひとりもこの高校受けんかってん。せやから仲間おらへんくなってしもて。」
「うん。」
「新しく仲間作れば良いんやろうけど、まだちょっとアイツらがひとりもおらんのに慣れやんくてさ。」
「うん。」
「まぁ、そんな感じで憂鬱。・・・さんは?」






この人になら話しても大丈夫かも知れへん。





「同じ高校行こなゆうてた子がここ落ちた。うちはその子大好きやったし約束信じて頑張ったのに、このことで、仲悪くなったし最悪。」






そう、うちは大好きやったその子と喧嘩してしもた。うちはその子がうちと同じ高校に行けやんだことを悔やんで怒っとるんやと思っとったんやけど、どうやら違ったみたいで、その子はうちに「ずるい。」ゆう電話をしてきて、そっから素敵に着信拒否や。





「お互い色々あるんやな。」
「・・・せやな。」
「あー、空が青い。」
「せやな。」
「何や、さんさっきから相槌しかうってへんやん。俺としてはもっと喋ってほしいねんけど。」
「そう?」
「うん。」
「友達、出来るんやろか。」
「俺!俺は?」
「あー、はいはい。」
さんって結構冷たい・・・。」





こうやってふざけあっとるのが何か楽しいと思えた。余計なことも考えずにこうやってするやりとりが楽しい。





「あ、チャイムや。」
「ほんま。」
「まさか、さん今からもサボるんかぁ?」
「うん。体育やったら大丈夫かなって思うんやけど。」
「まぁ、せやな。」




チャイムは鳴ったのにコイツは動く気配が全くない。(確か白石?)





「・・・自分もサボり?」
「せや。俺、さんみたいにさっきの時間まるまる1時間サボってへんもん。」
「それ嫌味?」
「まさか。次は俺が色々とさんから聞かななー思て。」
「・・・まぁえぇか。」







とめどなくなく溢れる感情を、すべて攫って


(春は別れと出会いの季節。)




『0414*』様、提出作品。

素敵な企画に参加させていただきありがとうございました!


アミ 

(20080414)