ドリーム小説





「アホ。」
「ごめん、ほんまにごめん。」
「しゃあないな、は。」





ほんまはめっちゃ抱きしめたい。俺やったら、そんな顔に絶対させへん。アカン。俺、めっちゃんこと好きや。手を伸ばしかけては拳を握って。それを繰り返すうち自嘲気味な気分になる。『そんなやつやめてまえ。』言えたらえぇのに。お前の泣き顔も笑顔も俺が面倒見たるからなんて口が裂けても言えへん。どんなけコイツがあいつのために泣いたんか知っとるから尚更や。





「いつもくだらん相談乗ってくれてありがとう。」





お願いやからそんな顔して笑うなや。そんな泣きそうな顔で笑うなや。俺がこの右手にどんなけ制止かけとると思っとんねん。・・・俺も俺やな。たとえそれが恋愛相談でもお前の傍におりたいと思ってしまう。笑いたいやつは笑たらえぇねん。






「それで、今日はどないしたんや?」
「・・・ふられた。」
「は!?お前、いつの間に告白したん。」
「昨日。見事にふられたわ。」





ほんまアカンって。お前、どんどん笑顔が痛々しくなってっとるから。




「それで、」




すぐ他の男呼ぶなや。喉まで出かかったけどやめた。言うてしまえば俺とコイツの関係がなくなりそうで怖い。






「いや、何でもないわ。」
「何やの。」
「泣け。」
「え?」
「見られたないんやったら肩貸したるから泣けって。」
「泣くわけないやん!もうすっぱりあきらめ・・・た・・・わ。」
「涙ボロボロ流しとる奴の言うセリフっちゃうでソレ。」
「っく・・・」





ぽたぽたぽた。地面にいっぱい染みが出来る。俺には何が出来るんやろな。お前を励まそうと思っても触れるのが怖いんや。俺がちょっと触っただけでお前は消えてしまいそうで。つっこむのにちょっとどついただけで壊れてしまいそうで。優しくすることも乱暴にはねのけることも出来へんねん。





「あ・・たし、多分、謙也がおらん・・・かったら・・ボロボロやった・・と思う。」





がたどたどしく言葉を紡ぐ。






「ほんまっ・・ありがっと」






もう無理や。





「え!?」





気付いたらを抱きしめとった。





「オサムなんかさっさと忘れてしまえ。」






この想いの行く先なんて自分でも痛いぐらい理解しとるから。たとえばオサムみたいに上手く励ますことが出来んくてもまだタバコ吸える年齢になってなくても今だけはこのままでおらせて。






季節よこの愚かさを笑え
(俺、んことめっちゃ好きやねん。)




↓反転で後書き↓
記念すべき個人短編ひとりめは謙也くんでした!
謙也くんブーム到来中です!でも腐っても至上はオサムちゃんなので
謙也→→オサムちゃんという結果に^^^
その後のふたりについては想像におまかせします。

そしてこの話の題名。
秦くんの「季節が笑う」っていう曲の歌詞なんですが
この曲、めちゃめちゃ大好きなんです。
あ、この話はその曲を聴きながら打ったので持ってる方は聞いてみてくれると嬉しいんですが。

では、ここまで読んでくださってありがとうございました。



(20080312)

※引用:◆秦基博「季節が笑う」