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が見当たらん。と同じ班の子らはみんな揃っとるのにだけおらん。トイレに行っとるにしては長すぎるし、かといってと同じ班の子らが焦っとる様子もない。今は夜の6時すぎ。俺らの班は集合時間よりもちょっと早めにホテルに着いた。バイブルって呼ばれとる俺が集合に遅れるとかありえへんから、これは当たり前のことやな。まぁ、俺らの他にも戻ってきとる班は何個かあるんやけど。 その班の中のひとつにの班も入っとる。せやけどはおらん。 「なぁ。」 「何や?」 「の姿見えへんくないか?」 「言われてみればそうやな。(こいつ、やっぱんことめっちゃ好きやねんな。)」 「何でやろ?」 「知らんがな。トイレっちゃうん?」 「それにしては長すぎるねん。」 「お前は変態か!と同じ班の奴にでも聞いてこい。」 「せやけど喧嘩中やしなぁ。」 俺がうじうじしとったらユウジにも愛想つかされたらしい。ひとうじなだけに!っておもんないっちゅーねん。無意識のうちに手が頭に伸びてしまって、頭の後ろをかいてしまう。10月の初め、6時過ぎといえばもうすでに外は結構暗い。はどこで何をしとるんやろう。小学生のころ、はこの辺に住んどったらしいから道は分かるんかも知れん。もしかしたら、お土産で何かを買い忘れてひとりでそれを買いに行っとるんかも。 「白石。」 「何や。」 「、どこ行っとるか分からんらしいで。」 「どういうことや?」 「何でも『直接、ホテルに行く』ってメールが来ただけらしい。」 「・・・・・・そうか。ほんで、何でそれを俺に言うん?」 「・・・・・・お前なぁ。思いっきり『心配です』って顔して何でその返事やねん。」 「・・・・・・。」 そう言うと謙也はやれやれって顔をして、それからもっぺんこっちを見た。だいたい、何でお前が俺にそんなこと言うてくんねん。高1の終わりからずっと自分らえぇ感じやんか。このあいだ、光がお前に『謙也くん、なんかえぇことあったん?ほんま、キモいすわ。』って言うとったやないか。お前、んこと好きとちゃうんか。そうやって言ってやりたいけど、何とか喉のところで止める。 「白石ぃー。自分の気持ちに素直になったらどうや?かて、白石とずっと仲直りしたがっとるわ。」 「そんなこと「ある。」 「・・・俺は、お前にとったら邪魔者とちゃうんか?敵に塩送ってる場合か?」 「ド阿呆。お前らの喧嘩長すぎなんやわ。それにフェアやないやろ。」 そう言うと謙也は自分のグループに戻って行った。こんなん言うたら癪やけど、俺かてと仲直りしたいし、1こ上の先輩らが部活から引退して以来あんまり先輩と関わってないを見とったら(3年は受験やしな。)何であないなことで喧嘩してしもたんやろ。って何回も思た。謙也に『フェアじゃない。』とか言われんのはたいがいキモいしムカつくけど、修学旅行っていう非現実的な空間の中で何とかしてと仲直り出来へんやろかとは思う。 「!」 女子のを呼ぶ声に顔を上げてみれば、ちょうど自動ドアをくぐってくるが見えた。とくに異常はないらしい。今の時間は6時25分。別に集合に遅れたわけとちゃうから、先生に怒られることもなくは友達と合流した。 「おい白石。、戻ってきてんで。」 「ホンマやな。おーきに。」 先生が俺らを集合させる。何でも19時半から夜ごはんらしい。お風呂に入れるのは20時半から22時のあいだか自分らの部屋やったら23時の消灯までに入ればえぇらしい。『解散』の声がかかると同時に、俺らはそれぞれの部屋に散り散りになった。 「今日いちにち疲れたなぁ。」 「ほんまにな。」 「一氏、ぼそっとバスの運転手の真似とかすんの、ホンマにやめてぇな。」 「何でや。真似たモン勝ちやないか。」 「あほ!笑いこらえるのが大変なんやわ。」 「どうぞー。」 部屋にノックの音が響く。ユウジの声を聞いて入って来たのは謙也やった。 「白石、呼び出しやで。エレベーターの近くにちょっと広いとこあるやろ。そこや。」 それを聞いて俺は立ちあがる。修学旅行を非現実や思て行動を起こしたいと思うのは俺だけやなかったらしい。指定されたとこが近づくにつれて心臓の音がデカなる。やって、あの後ろ姿はどう見てもやないか。謙也はその子が俺を呼び出したみたいな言い方してたけど、つまりが俺を呼び出したいうことか? 「?」 「!?蔵?」 から俺に対しての呼び方が名前に戻っとる。これは、やっぱり期待してもえぇんかな? 「・・・・・・あの、話って?」 「え?」 「え?」 どうも話が噛みあわへん。しかもとは全然、目があわん。 ・・・・・・何となくこの状況の意味が分かった。謙也は、どうしても俺とを仲直りさせたいらしい。俺が思うにユウジも謙也とグルやな。ほんま1本とられたわ。あんなに意地はってたんがアホみたいやけどここまで来たら男は度胸や。もう、にいさぎよく謝ってしまおう。 「そうや。お前に話があんねん。」 「なに?」 「・・・・・・・悪かったな。」 「・・・・・・あたしの方こそごめん。」 俺がに向かって声を発したとき、は一瞬身を固くしたけど、俺がひとこと謝ってしまえば何てことはない、俺らが仲良かったときと同じ笑顔で俺に向かって笑てくれた。 「ほんまはもっと早ぅ謝るつもりやったねん。」 「あたしも。ずるずる引っ張ってしもてごめんなさい。」 そう言うとふたりで顔を見合わして笑った。やっぱり俺はんことが好きらしい。半年とちょっともの間、と喧嘩しっぱなしやってその間ずっと何かモヤモヤしとった。ほんでの笑顔を見た時に分かったんや。それは俺がんことが好きやのに、ずっと喧嘩してしもとったせいやって。謙也からは敵から塩を送られる状態になってしもたけど、俺はもう誰にも遠慮したりせぇへん。俺は間違いなくあの先輩にも謙也にも負けへんくらいが好きや。 (白石くんのターン。ミュ4A戦の謙也くんの『ド阿呆』(その後に『追いつかれただけ〜』って続くところ)が大好きです← いい加減、シリアスなちゃんと白石くんが可哀想でそろそろ仲直り。したら予想以上に白石がデレた。白石の謙也くんの呼び方は、まぁ部活も2年目だし実はそれなりに仲いいよってことで。 しかし、あいかわらずユウジがお前だれやねん状態。 次回は時間が少し遡ってからのちゃん目線です。) (20110314) Top Next→ |