ドリーム小説



あたしは今、猛烈に焦っとった。というのも、修学旅行のお土産を見とる間にみんなに置いてかれてしもたから。別に、道が分らへんとかそういうこととちゃう。修学旅行シーズンで学生が多いこの九州でみんなと合流出来るかどうか、それが心配やった。






「痛っ。」




焦りすぎてたのがアカンかったんかも知れん。学ランを着た男の子と肩がぶつかってしもた。ぶつかってしもた相手に目をやる。・・・・・・あたしの人生終わりフラグが立ったくさい。





「どこ見て歩いてんだよ!」
「すいません!」
「すいませんで済んだら警察いらねーって話。」






言葉のイントネーションからして、彼もあたしみたいに修学旅行で九州に来たらしいということは分る。着崩した学ランとワックスでカピカピの髪の毛。学ランの中には真っ赤なシャツを着とるらしい彼は、どっからどう見ても不良学生と呼ばれる類の学生っぽかった。







「オネーサン、お金持ってないの?」
「持ってません。」
「嘘つくなよ。アンタも修学旅行で来たクチなんだろ?」
「やめてください。」
「金出せっつってんの。」
「やめて!」




男の手があたしの方にのびてくる。やられる!めっちゃコワイ!





「お前さん、たいぎゃカッコ悪かよ。」




ぎゅっと目をつぶって衝撃にそなえとったあたしの耳に届いたのは、低い声の熊本弁で、おびえていた衝撃はいつまでたっても襲ってこーへんかった。
おそるおそる目を開けてみると、目の前に立っとったのは、とてつもなく大きな壁で、視線を上に動かして、めっちゃ驚いた。めっちゃ大きな男の人や。




「ヒッ。すいません。」





その大きな男の人はめっちゃ怖い顔をしとったらしい。学ランの男の子は彼の顔あたりを見ると一目散に逃げ出した。





「怪我は無か?」
「はい。ありがとうございました。」
「よかよ。」




その人の顔に目をやったあたしは一瞬固まった。というか、この人も固まった。





ちゃん?・・・・・・いや、そぎゃんわけ無か。」




最後の方、この人がなんて呟いたかは分からへんかった。せやけど、あたしは名前を呼ばれたことで確信した。





「・・・・・ちとせ?」
「やっぱりちゃんやったと!?」





そう言うと千歳はあたしの肩を強く掴んだ。






「久しぶり!」




掴まれたままの肩は少し痛いけど、千歳に会えたことが嬉しくて、それほど気にならんかった。・・・・・・それにしても、千歳めちゃくちゃ成長したなぁ。小学校ん時もたいがい大きかったけど、今はほんまに規格外のデカさや。千歳の顔を見るためにはかなり高いところまで視線を上げやなアカン。




「こぎゃんとこで何しとっと?」
「修学旅行で九州まで来たんやけど、班の子みんなとはぐれてしもたん。みんなマナーモードにしとるんか携帯は繋がらへんし。」
「・・・・・・班の子と合流って今すぐにせないかん?」
「なんでそんなこと聞くん?」
「俺ば一緒にちょっとだけ遊びに行かん?」





常識的に考えたら、今すぐにでも班の子と合流せなアカンのやと思う。せやけど、班の子らとは全然携帯が繋がらへんし、すぐに合流出来るかどうかも分からへん。それに、今日は自由行動の一日や。集合は宿泊するホテルに夜の6時半で、今はまだ昼の3時。ちょっとくらい遊びに行っても罰当たらへんよね?





「夜の6時半までに、今日泊まるホテルに着ける範囲なら。」
「よし、早よ行かんね!」





そう言うと千歳はあたしの手をとって、たくさんの修学旅行生たちのあいだを逆流するように走り出した。



(青春トランジスタもひっさびさ!そして千歳ことば難しい>< 変なとこがあったらビシバシ指摘してやってください。 ちゃんに千歳のことを千里くんって呼ばすかどうかで果てしなく迷ったんですが、書いてて千歳の方がしっくりきたので千歳呼びで。そして、いきなり修学旅行に突入しててごめんなさい。 2年生の時間の流れ早すぎる;;(この話の時点で10月初旬。) あ、千歳といえば何を隠そう管理人の1番好きなキャラです。ちーたんちゅちゅ←(・・・) 更新頻度2日に1話か3日に1話ぐらいにしたいなぁ。)



(20110313)


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