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水がしみて君が消えた。 水はしみて君は遠く消えた。 アワになって。 何も変わらんまま新しいクラスになって1学期が終わって夏休みも通り越してしもた。あたしと蔵の距離も相変わらず。それどころか今度はあたしと、あたしと小春ちゃん、あたしと謙也、あたしとテニス部の人たちとの距離がどんどん空いてしまっとる。1つ上の先輩たちが全国大会で3位なんて成績を残して引退したおかげでテニス部の人らの団結力はぐんと上がって、普段の生活よりも部活の方が大事な感じなんやと思う。 そうやってたちが部活で頑張っとって、嬉しいはずやのにそれを嬉しく思えやん自分がおる。というのも、1つ上の先輩たちが引退するっていうことは、あたしと一緒にバンド組んでた先輩たちもみんな引退してしもたっていうことで。そんなわけやから部活でのあたしの居場所はなくなってしもた。おまけにゆっこちゃんたちは最近、彼氏を作ったとかですこぶる付き合いが悪い。(せっかく時間が出来ていっぱい遊べると思ったのに。) こんなとき、戻りたくなるのは高校1年生の時。たった数ヶ月しかなかったけど隣に蔵と謙也がおってと毎日たわいもないことで喋って。何で手放してしまったんやろ。蔵が離れて行った理由めっちゃ考えたけどわからへんまま。『白石くん』っていう言葉が自分の中で寂しく響いてから、蔵の寂しそうな顔を見てから、あたしは怖くて蔵に話しかけることが出来へん。 「?・・・おーい!!」 「!?え、何。」 「何って、修学旅行でどこ回るかとかちゃんと決めやなアカンやろ。」 「もー、ちゃんと話に参加してや。」 「ごめんごめん。」 今は週に1回のLHRの時間。最近の内容はもっぱら修学旅行のことについて。あたしら2年生は、さ来週1週間、4泊5日で九州に行くことになっとるらしい。クラスが一緒の人と行動するのが望ましいらしくて、あたしが行動する班は即決でゆっこちゃんたちと組むことに決まった。 「、昔、九州におったんやろ?」 「あ、そうやん。、九州から戻ってきたんやもんな。」 「そうなん!?ほんなら、いろいろ案内してや。」 「・・・うん。」 九州。そう九州。あたしが3年間すごした場所。たった3年、されど3年。九州は暖かい場所で暖かい人たちが多くて、それからあたしの思い出がたくさん詰まっとる。あたしは九州でたくさんのことを知った。転校したてで大阪弁のあたしは九州ではイロモノやった。向こうはあたしの言葉がわからへんし、あたしは向こうの人らが何言っとんのか、ほんまにさっぱり分からんくて、軽い対人恐怖症みたいなもんになってしもて。(大阪弁を笑われるんが怖くてしゃあなかった。)そんなんやから、なかなか友達も出来へんかったんやけど、ひとりだけそんなあたしに話しかけてくれた物好きがおって、その子を通して、あたしにはたくさんの友達が出来た。 千歳千里くん。真っ黒でくるくるの髪の毛と平均よりも高めな背。おっきくてあったかくてやさしかった。そんな千歳くんがあたしは幼いながらに好きやったんや。と今ならそう思う。っていうのも、当時は好きとかそういうのが分からんくて、まいにちまいにち学校から帰ると公園でくらくなるまで遊んでっていうのの繰り返しで、あたしはそれが楽しくて、そんな日々が続くことを信じて疑わんかったから。 お父さんから大阪に戻るって話を聞いて九州を離れるんやってわかってから、あたしが本当は千歳くんを好きなんやってことに気づいて。でも、もう遅かった。それにあたしは幼すぎて気持ちの伝え方を知らんかったから何も伝えられやんまま大阪に戻ってきて。やけど、あたしの心の中は痛いだけやった。とか蔵とか小春ちゃんに出会って毎日が楽しくて少しずつ少しずつ痛みは薄れていったけど、このときから伝えたいことは言えるときに言っとかんとって思いが強くなった。 ・・・せやから、ほんまの気持ちを言ってえぇのなら、あたしはもう一度、千歳くんに会いたい。 (本当にひっさびさの青春!これ書きだしたときリアルに高校1年生やってたのに今じゃ高校生活も実質3ヶ月しか残ってない状態ですよ。時の流れっておそろしいですね。そして完結完結って口だけ状態ですいません。高校生活を題材にしてる話だし、高1〜高3の集大成ってことでこの青春トランジスタせめて3月いっぱいまでには完結させたいです。3月になったらそれまでに書いた作品を別ページに移して隔離したい。最近、けっこう切実に同じようなサイトを経営してるオン友がほしいです。リレー小説とかやってみたいんだ・・・!まぁ、近年稀に見るチキンなんで夢のまた夢のような話ですが・・・Orz) ◆引用:安藤裕子「サリー」 (20091128) Top Next→ |