ドリーム小説




いつからか、まるでそうなることが必然やったみたいにが好きやった。







最近はよく天気予報が外れる。このあいだも「土砂降りになるでしょう」ゆうから荷物めっちゃ多かったけど傘もわざわざ携帯したのに見事に晴れ模様が広がってお天気お姉さんに殺意をおぼえたばっかりや。今日はそのお姉さんが「青空が広がるでしょう」なんてゆうからすっかり天邪鬼になってしもた俺は折り畳み傘をしっかり鞄に入れといた。そしたら案の定、3限目から雨がざんざか降ってきて最終的には警報がふたつも出る始末や。(たいがい給料ドロボウやん。)





それからすぐに生徒たちは下校になったんやけど俺らはオサムの送迎が条件でじとっとした会議室に押し込まれてそこから1時間、次の練習相手の試合を延々見続けた。こんなんゆうたらアカンけど青学やら立海に比べたら全然や。





未だに雨は弱まることを知らんと容赦なく窓に叩きつけられとる。俺は、オサムのタバコくさい車に乗るのが嫌で普通に歩いて帰ろうとしとる途中や。もうすぐ下駄箱に着く。





「自分、こんな時間まで何やっとんの?」
「傘忘れたんです。」
「アホやな。」
「はい。」




聞きなれた声がする。これは間違いなくの声や。・・・相手の男、誰やねん。







「・・・俺の傘、入ってくか?」
「え!?」
「駅までやろ?」





俺は自分の耳を疑った。相手の男がを誘った。・・・あれ?でもって駅まで行かへんやん。しかも思いっきり反対方向や。





「あたし、チャリ通です。まぁ、この雨じゃ歩いて帰るしか無理そうですけど。」
「そうか。」





やっぱり。





「・・・送ってったろか」
「もっと悪いですよ。蓮先輩、駅までやないですか。あたしん家、おもっきり逆方向ですもん。」
「でも、どないすんねんな。」
「うーん、もしかしたら止むかも知れへんし。」
「無理やと思うけどな。遠慮せんと俺の傘入ってったらえぇやん。」
「でも・・・」




「あれ??」





出てくなら今しかない。



「自分、まだ帰ってへんかったんか。」
「傘、忘れたねん。」




の先輩は思いっきり俺にガン飛ばしてくるけど(俺ら、軽音の人ら(って言ってもとバンド組んどる人らだけやけど)に嫌われとるからなぁ。)俺にだって引けやん理由がある。に、他の男と相合傘なんかして欲しいない。





「なんや、ほんなら俺が入れてったるよ。」





言えた。恥ずかしいから外には出さんようにしとるけど俺はめちゃめちゃ緊張しとる。





「先輩、蔵ノ介とあたし同じ方向やし蔵ノ介に入れてもらうことにします。」
「・・・そうか。」






の言葉が嬉しい。





「お気遣いありがとうございます。先輩の優しいとこ好きです。」
「・・・ほなな。」





が優しいってことはよう知っとるけど、しかもこの言葉が特別な意味を持ってないってこともよう知っとるけどそれでも俺の胸はキシキシ音を立てる。静まれ静まれ。





「ありがとう。めっちゃ助かったわ。」
「・・・。」
「蔵?」
「おっ、おぅ。えぇよ。」




いらんこと考えとったらの言葉に対する返事が遅れてしもた。




「早よ帰ろ。」
「おぅ。」





靴をはきかえて外に出る。






「早よ入り。」
「ありがとう。」
「えぇよ。」




には風邪ひいてほしないから。





。」
「何?」
「自分なー、簡単に好きとか言うなや。」
「何で?」
「いや、何でって言われても。」





さっきからえらい悶々と考えてしもて気付いたら口から零れとった。





「あたし、蔵ノ介の優しいところも好きやで。」





不意打ちはほんまにアカン。




「・・・。これ使ってえぇよ。」





俺はそれだけ言うとを置いて雨の中へ駆け出した。の「好き」に特別な感情がないのは俺がよう知っとるから。の『好き』は嬉しいけどそれが逆に俺を苦しめるねん。・・・は追いかけてこやん。追いかけてくれたら呼び止めてくれたらなんて、期待するだけ無駄やのに。それでも期待してしまう俺はどこまで行っても救われやんのかな。



(白石君目線でしたー!!!白石君はほんとにさんのことが好きなんです。だから、「好き」が辛いわけで。・・・あー、私もこんな風に想われたい、ぜ★←)


(20080505)


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