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昨日、あれから謙也は空が白むまで一緒におってくれた。ふたりで他愛もない話をしながら(昔みたいで楽しかった。)いつかギターとドラムで共演しよななんて約束をして。ただひとつ問題やったんは次の日のこと。4月で空が白むまでっていうことは最低でも5時までは起きとかなアカンことになる。そこから、寝たとして実質、睡眠時間は1時間ちょっとしかない。寝やんだら良いのに、アホやったあたしは1時間だけでも!っていう意思に負けて枕と仲良くしてしもたもんやから大変なことになった。まず、起床時間が来てもなかなか目が開けられんくてお母さんにしばかれた。お父さんはお母さんとタッグを組んでグチグチ言うてくるし、・・・まぁそこまでは良いとして、一番びっくりしたんがお母さんの言い放った「謙也くんと何時の間にあんなに仲良うなったん?」やった。別にそんな特別、仲良うなったわけちゃうねんけど。 「おはようさん。」 「おはよう。昨日は付き合わせてごめんな。」 「お前、その様子やったら昨日あのあと寝たな?」 「うん。」 せやでそんなに眠いんやわ。謙也は呟くように続けた。どうやら、謙也も相当疲れとるらしい。(ますます罪悪感つのるやん。) 「俺はあの後、あえて寝ぇへんだんや。」 「そうなん?ふあーあ。」 「おぅ。ってお前、口ぐらい塞げや。」 「あーねむ。」 謙也の小言も見事にスルーしてあたしは尚もトロトロ歩く。昨日は入学式やったから制服のチェックとかしすぎて(あたしも一応、女やからな。)家出るん見事に遅れたけど(謙也も遅れとったけど多分、あたしと同じような理由やろな。)今日は昨日ほど気合入れやんでいいから時間に余裕を持って家を出られた。 「埒あかんなー。お前、後ろ乗れ。」 「いや、えぇよ。歩く。先行ってえぇよ。」 昨日、あんなに付き合うてもろたのにおまけに自転車にまで乗せてもらうっていうのは何か悪い気がした。(あたしにだって常識ぐらいはあるねん。) 「アホ。お前に遅刻されたら俺があのやったかにどやされそうで怖いやろうが。」 「えー、どやさへんって。」 「えぇから乗れよ。俺がお前を自転車の後ろに乗せたるなんて滅多に言わへんぞ。」 「確かに。じゃあ、お言葉に甘えて。」 ちょっとわるいかなって気もしたけど謙也がそこまで言うならってことで自転車の後ろに跨った。謙也がちょっとニヤニヤしながら『こぶたちゃん』とか呟いた気がするけど(本気やったらしばく。)眠くてそれどころじゃなかった。 「自転車乗せてくれるついでに背中貸して。」 「しゃあないなぁ。」 「おおきに。」 謙也の背中を借りて、おやすみ3秒。某漫画の男の子のように、あたしは意識を手放した。 「ぃ・・・ホ・・アホ・・!」 目を開けたらそこは四天寺宝の駐輪所で、謙也がこっちを振り向きながらあたしに呼びかけとった。 「あぁ・・・おはよう。」 「おはようっちゃうわ!こっちはお前が落ちそうになるたびヒヤヒヤしとったんやぞ!」 「ごめんごめん。」 「ごめんで済んだらケーサツいらんっちゅうねん!制服によだれ付いとったらクリーニング代貰うで。」 「あたしの今の所持金150円やから無理。」 「150円て、3歳でもそれぐらい金持っとるっちゅーねん。」 「3歳児並の経済能力。」 寝ぼけたまま謙也に返す。謙也は『はぁ。』ってため息を吐いたあと、髪の毛をくしゃくしゃってして『コイツあかんわ。』ってさもあたしが悪いみたいな言い方をした。 「そんなん言うても眠いんやもん。」 「眠い、眠ないの話ちゃうやろ。」 「・・・自分ら、何やっとんの?」 「おぉ、!コイツ何とかしてくれ。」 「何やってんねん。」 「コイツ、昨日あんま寝てへんねん。まぁでも頼むわ。」 「そうか。・・・あほー!!!!朝やで!!!!」 耳元ででっかい声がして(鼓膜やぶれるっちゅーねん!)あたしはびっくりして飛び上がった。その反動で自転車が揺れる。 「アホ!揺らすなや!」 「忍足やっけ?早く降りた方がえぇかもよ?」 「何でやねん。」 「蔵ノ介がこの状況見たら機嫌悪ぅなるから。」 「どういうこっちゃ。」 「察してぇな。とりあえず、降りた降りた。」 誰かに腕をグイグイやられて、あたしは仕方なく自転車から降りる。地面とキスしそうになったけど寸でのところでそれを阻止して立ち上がった。(もうちょっとで地面ってところでやっと覚醒したわけや。) 「え?何しとんの?」 「アンタを起こしたったんはあたしやで。」 「そうなん?!」 「そう。」 「ほんまごめんな。」 「えぇよ。それより、早よ教室行こ。」 はグイグイ腕を引っ張ってあたしを昇降口に連れて行こうとする。謙也はまだ自転車を止めとった。いくらなんでもそれを放っておくわけには行かんから足でめいっぱい踏ん張る。謙也が自転車に鍵を掛け終ったみたいやった。 「、早よ、行くで。」 「ちょっと待って。な?」 「何やの?(蔵ノ介からのとばっちりを喰らうんはあたしやって。)」 「けーんーやー!一緒に教室まで行こ!!!」 「あっ、アホ・・・(最悪や。)」 が口をパクパクさせて顔面蒼白になっとる理由があたしには分からん。謙也はあたしの声に気付くとちょっと驚いた顔をしながらもこっちに走ってきた。 「おっ、待っとってくれたんか?」 「うん。」 「てっきり先行ったかと思たわ。昨日みたいに俺ほって。」 謙也は昨日のことを根に持ってるらしくて最後の方は顔が苦笑に変わっとった。 「最悪や・・・。」 はさっきからこれしか言わへん。最初は不思議に思って謙也とふたりで理由を尋ねたりしたけど結局、教えてくれやんかった。せやから、途中からが「最悪や」を言うてもあたしと謙也は気にせんと話を続けた。 「じゃあ、バイバイ。また放課後に。」 の教室の前で、すっかり元気がなくなってしもたを送り出した。それからあたしらは自分たちの教室に入る。 「おはよう。」 「・・・。」 席に着いてまず声をかけたんは蔵ノ介やった。でもなんか反応が薄い。 「おーはーよーうー」 「おぅ、おはよう。忍足も。」 「おぅ。」 なんや、普通やん。心配して損した。しばらくしてコバやんが入ってきてホームルームが始まった。みんなクラブの入部届けを提出する。これで、あたしは軽音部の一員やし、謙也と蔵ノ介は男子テニス部の一員や。多分、隣のクラスでも同じようなことやっとるんやと思うから小春ちゃんともきっとテニス部に入ったんやろな。(はマネージャーやけど。)あたしだけ道が違うっていうのはちょっと寂しいけど自分で決めたことやし頑張らんと。 (謙也くんも白石くんもまだ、自分の気持ちに気付けてません。だから、白石くんは自分の機嫌が悪くなる理由が分からなくて知らず知らずのうちににそのとばっちりが行くんです。はそういう意味では他の子よりも大人なので白石くんのイライラの原因が分かってるんです。だから「最悪」なんて言葉を連発したり。そして話は変わりますが、次の話ではいきなり夏休み前まで飛びます。謙也の幼なじみということは必然的に東京の彼も友達です。笑 ってなわけでを東京へ飛ばそうかなとか考えてます。 笑(まぁ、予定は未定なんですが;;)) (20080315) Top Next→ |