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「じゃあお先ー。」 ・・・あいつ、ほんまにしばきたい。 あたしは今、猛烈に急いどる。理由は簡単かつ簡潔。一言で言うならばそう、高校の入学式に遅刻しそうなわけや。(アホ謙也、乗せてってくれてもえぇやん!こう、王子様みたいに爽やかに!)謙也に王子様を要求するんは間違っとるけど、それでもこんなか弱い女の子が困っとるんやから『俺が乗せてったる。』ぐらい言えばえぇのに。 「ー案の定やなぁ。自分めっちゃギリギリやで。」 後ろから声がしたかと思ったら蔵ノ介がさっそうと自転車をあたしのすぐ傍で止めた。(いやー、これこそが真の王子様やね!) 「蔵ノ介ー、自転車の後ろにこうね・・・乗せてってくれたりしませんかね。」 「またかぁ?ここ何年か自分、大事な日には絶対俺の自転車で登校してるやろ?」 「えー、そんなことないやろ。」 「絶対そうやわ。 「ほんま?!そうと決まればレッツゴーや!」 「うわっ、急に飛び乗るなって何回言うたら分かんねん。」 「ごめんごめん。」 やっぱり出来る男は違うねんなぁ。謙也と違って後ろに乗せてってくれるっていう優しさがあるんやから。(しかも顔もトリプルAやし。) 「今年も同じクラスやったらちょっと笑えるな。」 「えー、それはそれで運命的やん。」 「アホ。軽々しくそんなん言うなや。」 「蔵、照れとんの?」 「ちゃうわ。」 蔵ノ介の耳が赤くなっとって(まだ朝やから夕日のせいやっていうベタな言い訳は通用せぇへんで。)何かこっちまで恥ずかしなってしもた。 「着いたで。」 「ほんまありがとう!蔵ノ介のお陰で遅刻せんで済んだわ。」 「おい、アホ女。」 「アホ女って言うな! 「?誰?」 「あぁ、忍足謙也いうてあたしん家のお隣さんやねん。」 「あぁ、幼なじみいうやつか。」 「そうそう。」 「無視すんなっちゅーの。」 「あぁ、ごめん!この人は白石蔵ノ介っていうねん。中学の時から色々お世話になっとるんや。」 「白石な。よろしゅう。」 「こちらこそ。」 「ちゃーん!!!蔵りーん!!!」 「小春ちゃん?!」 「アホ。蔵りんって呼ぶなや。」 向こうから走ってきたのは小春ちゃんで相変わらず女の子しとった。(何かこうオーラが可愛いねん。) 「ちょっと聞いてぇなーちゃんと私クラス離れてしもたんよー。」 「嘘?!」 「ほんま。私、ちゃんとだけはなりたかったのに。」 「小春ちゃん!」 「あ!」 何かめっちゃ嬉しなって、また小春ちゃんに抱きついてしもた。(謙也が面喰らったような声出したような気がしたけど気にせんとこ。) 「相変わらずやなぁ。、その抱きつき癖は直した方がえぇで。心臓に悪いやろ。」 「蔵りんのアホ!私とちゃんの仲を引き裂かんといてぇな!」 「アホはアンタや小春!」 急に声がしたかと思ったらものすごい力で小春ちゃんがあたしから離れて行った。 「やん・・・。」 「そんな嫌そうな顔せんでもえぇやろ!言わせてもらうけどはあたしの物やからなー!蔵りんにも小春にもやらへんで。」 「まで俺のこと蔵りん呼ぶなや。」 「 謙也の存在をすっかり忘れとった。(ごめん。でも朝の仕返しが出来てちょっと嬉しいわ。) 「えー、みんなあたしの中学からの親友で左から、金色小春、そして蔵ノ介。」 「私ら仲良し4人組やもんねー。」 「あたしはとだけ仲良うしとりたいんやけど。」 「ノリ悪いで。」 「ごめんなぁ、蔵りん。」 「やから蔵りんって呼ぶなや。」 「それでそっちの男前さんは?」 「あたしん家の隣に住んどる忍足謙也。所謂、幼なじみっていうやつやね。」 「ちゃんと家隣やのに私らと学校ちゃうかったん?」 「あー、あたしん家ってすっごい微妙やない?それで、ちょうど線引きされてしもてなぁ。謙也は隣の学校やったん。」 「よろしゅうなぁ。」 「こちらこそ是非よろしくしたいわぁ。顔えぇもん。」 「また害虫か・・・。まぁよろしく。」 害虫って何?!しかも小春ちゃん『顔えぇもん。』って謙也めちゃめちゃ引いてるやん! 「なぁ、こんな呑気に自転車置き場で喋っとる場合やないんとちゃう?」 「あー!あと1分でチャイム鳴るで!」 「えー?!あたしら結局、何組になったか分からへんやん!」 「アホー!ごたごた言わずに走れー!」 高校生活はまだ初日の朝やのに既に疲労困憊や。こんなんでこれからやってけるんやろか。 (『突発的に始めちゃったよ』なこの連載。詳しい設定を詳細で一読してもらえると嬉しいです。) (20080219) Top Next→ |