ドリーム小説






ちゃん!!!」








何の因果かジローが俺の家にちょくちょく来るようになって2か月。まぁ、理由の検討は大体ついとった。今、俺の住んでる家の隣の家に住んでいるのはさんっていう俺と同い年の女の子で、その子はどうやら跡部のいとこらしい。この事実を知った時、驚かんだって言ったら全くのウソになる。その、さんはどうやらジローや宍戸とも知り合いらしく、ジローはさんに会いたい一心で俺の家にちょくちょく通ってるというわけや。(何故ならジローはさんを見つけて速攻で彼女の元へ走って行き、あろうことか抱きついてしまっとる。)







「・・・・ジローちゃん?」
「そうだよぅ。俺、メール送ったのにちゃん無視したC。」
「ごめんね?携帯のデータ飛んじゃって、知らないアドレスには返信しないようにしてるの。」
「なーんだ。そうだったのかぁ。安心安心。今度からは返信してね。」
「心配かけちゃってごめんね。登録しとく。」








アイツのあの笑顔は何や。と俺は激しくツッコミを入れたい。いっつも眠たそうにしとるのに、今のジローは完璧に覚醒モードや。テニスとお菓子関連のこと以外でジローが覚醒しとるところを見るのはめちゃくちゃ久しぶりかも知れん。







「ジローちゃん、部活の帰り?」
「そうだよー。」
「ジローちゃんも忍足くんもお疲れ様。」
「ありがとー。」
「おおきにな。」







さんは俺の存在のことも認知しとってくれたらしい。(まぁ、隣におんのに認知されてなかったらそれはそれで悲しいんやけど。)








ちゃんお母さんになるってほんと?」
「うん。本当だよー。もう6か月なんだ。」
「お腹に触ってみてもEー?」
「いいよ。」
「すごいねぇ。ちゃんのお腹の中でもうひとつの命が生きてるんだね。」
「そうだねぇ。・・・そういえば忍足くんのお家に来たんじゃないの?」
「そうだった。・・・ねぇちゃん、またテニス部にも遊びに来てよ。」
「え。」
「体調の良い時で良いからさー。ゆっくりお話もしたいし。」
「・・・・・・そうだね。また行くよ。」
「絶対だからねー!!!」
「うん。じゃあ私、買ってきたもの冷蔵庫に入れなきゃだし、そろそろ帰るね。」
「引きとめちゃってごめんね。またね!」
「うん、またね。」







さんはそう言うとマンションのエントランスの中へ入って行った。・・・・・・それにしても。ジローのやつ、今日も俺の家に上がって行くんやろか。いつも、俺の家に上がって、せやけど退屈して寝られても困るから家に置いてあるポッキー(初めてジローが家に来た時に寝られてしもてから常備してある。)を与えて適当な世間話をして解散するという流れがお決まりのパターンや。







「侑ちゃん。」
「何や?」
「今日は侑ちゃん家に行かなくても良いや。」
「何や、ほな此処で解散でえぇんか。」
「うん。・・・・・・ちゃん、寂しくないのかなぁ?」
「さぁ・・・。それはさんにしか分からんのちゃうん。」
「そうだね。でも、相手の男は何してるんだろー。許せないC。」







ジローがそう言うと春の初めやいうのに雪が降りそうなくらい周りの気温が下がったような気がした。ジローは、天使みたいなナリしとるくせにたまにめちゃくちゃ黒くなる時があると思う。(本人には怖くてこんなこと言えへん。)








「そやな。まぁ、でも本当のことはやっぱりさんに聞いてみやな分からんで。」
「よし、今度聞いてみよーっと。じゃあまたね。」








ジローはくるっと方向を変えて自分の家の方角へと歩きだした。ほんまに何ちゅーか、自分の欲求に素直な奴やな。さんと連絡をとる手筈は整えたみたいやし、さんとも直接会えたし。これでジローが俺ん家に寄って帰ることは暫くないと思う。それにしても、さんが跡部と従妹で俺の隣の家に住んどるって跡部が俺らに話したんは2月の初めやったから、ジローのやつあれから約2か月間もさんと連絡とったり会ったり出来てへんかったんか。まぁ、俺も跡部からさんのこと聞いてから片手で数えられるほどしかさんと遭遇出来てへんのやけど。・・・・・・なんてことを思いながら俺は自分の部屋に入った。














部屋のチャイムが鳴った。インターホンの画面に映し出されとったんはさんで、俺は何事かと急いでドアを開けた。







さん?どうしたん?」
「忍足くん、もう夜ご飯食べた?」
「まだやけど。」
「実は・・・・カレーが食べたくて作ったんやけど作りすぎちゃって、良かったら食べへん?」
「え、えぇの?」
「えぇよ・・・むしろお願いします?」
「ありがたく頂戴します。」
「何やそれ。」






さんはツボにハマったんか目じりに涙を溜めながら俺にタッパーを渡してくれた。









「今度お礼するわ。」
「え、そんなん全然えぇよ。むしろ私が押し付けたみたいな感じやし。」
「ほんなら、何か軽いモンにしとくわ。」
「なんか、逆にありがとう。」
「どういたしまして。ってさん関西弁になってるやん。さっきは標準語やったのに。」
「やっぱり関西の人と話すと関西弁が出るみたい。まぁ、関西弁好きやしな。」
「同郷のよしみでこれからも仲良うしたって。」
「こちらこそよろしくお願いします。・・・・・・・長々とごめんね?」
「いやいや、引きとめてしもたん俺やし。」
「じゃあ、おやすみなさい。」
「おやすみ。」








そう言うとさんは自分の家へと帰って行った。俺の手の中にはまだ温かいカレーのタッパー。夜ご飯どうしようか思ってたとこやしラッキーやったなぁ。さんには、ほんまに今度お礼しよ。



(久々にSalve。またも1年開いてしまった。子供の父親を未だに誰にするのか決められてない。2012年の目標はこの連載か青春〜を完結させることにしようかな。←)




(20120404)





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