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「ちゃんのことで大事な話があるから部屋に来なさい。」 そう呼び出されたのは10分程前で、俺は今、母親の部屋で母親が戻ってくるのを待っている。 昨日の部活が始まる少し前にジローがにメールを送ったが、返事は結局無いままで俺と宍戸とジローは少なからず落ち込んだ。 がちゃりと音がした方を見てみれば部屋に入ってきたのは母親で、その顔は少し緊張していた。 「景吾。ちゃんのことなんだけど、東京に呼んだ話はしたわよね?」 「はい。この間、聞きました。」 本当はどこにいるのか問い詰めてやりたかったが、この母親のことだ、虫もくわねぇ顔で飄々とかわすに決まっている。 「実はね……ちゃん、妊娠してるの。」 「はぁ!?」 あまりのことに、つい口調を荒げてしまった。が妊娠ニンシンにんしん。妊娠という言葉を繰り返せば繰り返すほど、俺たち高校生とは無縁の言葉だと思える。 「……が近々、結婚するということですか?」 「それがねぇ、相手の男の子のこと、母さん知らないし、ちゃん教えてくれないのよ。」 ……つまり、妊娠しただけでなく、相手もわからないわけだ。やっぱりの両親が亡くなったときに、無理矢理にでもこっちに呼んでおくべきだった。……今更、後悔しても遅いがな。 「は子供を産むつもりなのですか?」 「えぇ。」 「……一人で平気なのですか?」 俺がそう言った瞬間、母親の目が輝いたような気がした。 「景吾、ちゃんは今、氷帝学園の近くに住んでいるの。」 そう言いながら母親が俺に紙を手渡す。そこにはマンションの名前らしきものと簡単な地図が書かれていた。 「学校帰りにでも様子を見に行ってあげられないかしら?私も心配なのだけど、生憎仕事がたくさんあるから。」 そう言って母は俺を見遣る。まるで俺の返事など最初から分かっているようだ。 「……極力、顔を出すようにします。」 「ありがとう。さすが私の息子だわ。それじゃ、母さん仕事に戻るわね。」 それだけ言うと母は嬉々として部屋を出ていってしまった。後に残された俺は、どうするでもなく渡された紙を握っている。……何にせよ、明日にでも顔を出そう。俺にとって、たったひとりのいとこであるが心配じゃないわけがない。 一応、が東京に出てきたと聞かされても居場所が分からずイライラするぐらいには大切に思っているのだ。 の家のインターフォンを前に俺は柄にもなく緊張していた。に会うのは実に1年ぶりだ。去年、3年ぶりぐらいに会って以来。 去年、俺の前に来た時はとの両親がいた。それが今はひとりだ。 「景吾くん?」 意を決してインターフォンを押した。30秒ぐらいしてから扉があいて、今俺の目の前にはが立っている。 「うわー!!久しぶりだね。」 「・・・・・・あぁ。」 良くも悪くもはあの頃と何も変わってなかった。・・・・・・お腹も大して目立っていない。 「お前、、、妊娠したって本当か?」 「・・・・・・うん。」 「そうか。」 「立ち話もなんだし、とりあえず上がってよ。」 そう言うとは俺を部屋の中に招き入れた。一人で暮らすには、少し広すぎる部屋だ。こんな部屋に一人で寂しくないのだろうか。 「。・・・・・・本当に産むのかよ。」 部屋で腰を下ろして、俺がまずに聞いたのは産む意思が固いかどうかだった。ここで、もしが迷いを見せたら、堕ろすという道を用意してやることもコイツにとっての優しさだと思ったからだ。 「誰に何と言われようと産むよ。」 母親の目がこんなに強く優しいものだなんて知らなかった。が去年から変わっていなかったなんて嘘だ。は強い目をするようになった。 「上等じゃねぇか。俺様に出来ることがあったら何でもしてやるから遠慮なく言えよ。」 「景吾くん・・・・・・ありがとう。」 「予定日はいつだ?」 「7月の末かな。」 子供は7月の末に生まれてくるらしい。ということは、今が1月の終わりだからもう4カ月の終わりということだ。もし、子供を堕ろそうとしたところで、母体に良くないのは間違いねぇ。堕胎することをに提案しなくて良かった。 「ところで、」 「なに?」 の意思をしっかり確認して、俺はこの家に来た時から常々感じていたことをに聞いてみることにした。 「隣の忍足とかいう奴は氷帝に通ってる高校1年か?」 「うん、そういえば氷帝だったかも。年は、私たちと同じ高1だよ。」 やっぱりそうだったらしい。氷帝に通っている高校1年の忍足といえばアイツしかいない。 「忍足は俺様のクラブメイトだ。何かあったら遠慮なく頼るといい。」 の隣に忍足が住んでいるというのは、好都合かも知れない。腐ってもアイツは医者の息子だ。簡単な知識なら持っていそうである。俺が少なからず安心している横では「なんで、景吾くんが得意げなの。」と笑っていた。 (超絶ひさしぶり・・・! 何とまぁ、2年ぶりぐらいでしょうか?少なくとも前回の更新から1年半は経っていると思われます。この連載の開始当初は自分もリアルJKだったんだよなぁ・・・。と思うと何とも言えない気持ですが。 そして侑士くんの扱いが酷くてごめんなさい。ミ/ュキャス(初代)の影響で実は氷帝では侑士くんが1番すきだったりします。(笑)) (20110310) Menu Next |