ドリーム小説



玄関でチャイムが鳴った。俺は部活で疲れた体を引きずって玄関に向かう。いくら、3年が引退したとはいえ俺たちはまだ高校1年。俺たちの上に人がおることに変わりはなく、しかも引退してったOBの中でも、もう氷帝の大学に進学を決めた先輩たちは未だに部活にちょくちょく顔を出しに来る。
いくら冬がオフシーズンとはいえ、そんな状態で手を抜けるはずもなく、我ら氷帝学園高等部男子テニス部の練習は今日もハードやった。・・・・・・って、俺は誰に説明しとるんや。





ドアを開けるとそこに立っていたのは、俺とあんまり年が変わらなそうな女の子やった。





「こんばんは。」
「・・・こんばんは。」
「私、隣の309号室に引っ越してきたといいます。」






彼女の言葉を聞いてピンときた。いくら、標準語で話しとるとはいえ、関西の訛りが引っ越してきてすぐとれるわけがない。どうしてもイントネーションが関西のソレとは違ってくるんや。





「自分、関西の出身なん?」
「はい。」
「やっぱりな。俺、大阪出身なんや。ちなみに高1なんやけど・・・
「私も大阪出身やで!ってか、え!?同い年!?もっと早よ言うてよ!大学生かと思たわ。」





さんはいくつなん?』俺がそう聞くより先に、さんの方が素っ頓狂な声をあげた。






「同い年なんか。よろしゅうな。」
「うん、よろしく。」





そう言い終わると同時にさんはくしゃみをした。まぁ、今は一月の終わりやし普通よりは寒いやろな。おまけにさん細っこいし。何食うてんねやろ。常々思っとることやけど女の子の体は不思議や。






「じゃあ、これで。ありがとうな。」







俺の意識が、女の子の体の不思議についてに傾いていっている間に、さんは帰ってしまった。・・・・・・それにしても。さんはどこの高校に通うんやろ?ここのマンションが借りられるってことは、そんなに貧乏なわけがない。おまけにこのマンションは氷帝生にしてみれば絶好の立地条件や。・・・・・・っちゅーわけで、さんの転校先は氷帝である可能性が高い。
俺は、ちょっと嬉しなった。氷帝生の中に大阪出身の奴はあんまおらん。というか、俺の知り合いにおらん。もし、さんが氷帝に転校してくれば俺の東京での大阪出身フレンド第一号や。







俺はその日の夜、ちょっと次の日を楽しみにしながらベッドの上で目を閉じた。






待ちに待った次の日。転校生の噂はどこのクラスにもなく、俺は自分の推理が外れたことにがっかりした。今は五限目の数学の時間で天気は曇り。それでなくても気分は沈む。数学のセンセは60過ぎのじーさんで、言うてること意味分からへんし。







数学の時間の終わりを告げるチャイムが響く。俺は、号令が済むと同時に鞄に荷物を詰め込みだす。もうすぐ、がっくんがこの教室まで来る頃や。






「侑士ー、部活行こうぜー。」
「はいはい。」






そら来た。がっくんは俺のところまで来ると、『早く準備しろよなー。』と文句を垂れた。俺は軽くそれを無視してがっくんの横に並んで、二人で歩き出す。






「あ、そうだ。」
「何や?」
「今日の跡部には近づかねー方がいいぜ。」
「何やねん。やぶからぼうに。」
「アイツ、今日めちゃくちゃ機嫌悪ぃ。触らぬ神に祟りなしだぜ!」
「がっくん、難しい言葉よう知っとるやん。」
「侑士テメー、俺をバカにすんな!」
「はいはい。」






何にせよ、今日の跡部の機嫌は良くないらしい。がっくんやないけど、触らぬ神に祟りなし、や。わざわざ八つ当たりされに行くこともない。今日は、跡部と喋るんやめとこ。
がっくんの隣を歩きながら、俺はそんなことを思っとった。



(4話をUpするさいに1話を消してしまうというハプニングに見舞われたので急きょ書き直し。元の話より短いことだけは分ります。ただ、内容的にはこんな感じだった気がする。←  私が高校1年生の時の数学の教師がリアルに60すぎのじーさんで、ほんとに何言ってるか意味分んなかった記憶があります。あとちゃんの住んでる309号室は私が今ほんとに住んでるマンションの号数と一緒(笑))


(20080514→加筆修正20110310)


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