ドリーム小説




「ギャー!!!時間がない!」





ホグワーツ特急がキングスクロス駅を出発するのは朝の9時。それなのに汽車の発車10分前に起きてしまった私がいる。( こんなとき可愛い悲鳴でも上げられれば良いものを出てくるのは到底女とは思えないような叫びばかり。 )誰か一緒に住んでいる人でも居たならこんなことはなかったのかも知れないが生憎と私の両親は数年前に他界してしまった。15年目の結婚記念日のお祝いにマグルだった彼らは車で旅行中、大型トラックとの接触事故で亡くなってしまったのだ。誰も身寄りがいなかった私はダンブルドアの計らいでどんなときでも漏れ鍋に部屋が取れるようになったが日本から離れたくないと駄々をこねて今でも元の家でひとり暮らしをしている。





「よし!行くか!」




一人暮らしが長いからかひとりごとが多くなってしまった。昨日の内に纏めておいた荷物を引いて、後は部屋に置いてあるくまのぬいぐるみに触れるだけでいい。このくまのぬいぐるみにはある仕掛けがしてあって私がひとことある言葉を唱えればロンドンのキングスクロス駅の9と4分の3番線に着くようになっている。ホグワーツ城に着くようにしなかったのはダンブルドア曰く『みんなとの旅を楽しんでほしいから。』らしい。( こういう時ばっかりはその気遣いがいらなかったかな、なんて。 )





ぬいぐるみの手を握った。引っぱられるような感覚。何度やってもこの感じが気持ち悪い。( 運が悪ければ地面とのキスが待っているし。 )「どさっ」という可愛げのない音と一緒に、私はホームへ落ちた。(痛い!)






案の定というか何というか9と4分の3番線には人っ子ひとりいなかった。( 大人たちには『姿あらわし』という便利な魔法があるんだよね。 ) ポケットからメモを3枚取り出す。1枚はダンブルドアへ。もう1枚は我ホグワーツ1有名な双子へだ。それぞれに伝えたいことを書いてふくろうに持たせた。




「アクシオ・私の箒!( 9月になったんだから魔法使っても良いわよね。 )」





向こうの方から箒が飛んでくる。( 正確に言えばホグワーツの箒置き場の方角からだけど。 )すぐに跨って線路に沿って飛び始めた。イギリスの夏は日本のそれより過ごしやすい。それもあってか、まだ9月になったばかりなのに日本に比べてとても涼しい。日本では当たり前の蝉の声が全然、聞こえないのが少し寂しいような気がするけど。






随分と長いあいだ空を飛んだ。マグルに見られると困るから地上から私までの距離は遠い。線路の枕木がかすかに見えるぐらいだ。もう大丈夫だと思うし、この様子なら馬車には乗れそうだ。( 黒い集団がたくさんホームにひしめいている。 )私は徐々にスピードを落としてホームに出来た小さな隙間に着地した。






「ヒュー!、新学期早々やってくれるね!」
ってば、まさか寝坊するなんて流石だね!」





同じようなニヤニヤ笑いで私に聞いてきたのはさっき手紙をしたためた相手であるウィーズリー家のフレッドとジョージだった。





「そんなんじゃない!・・・まぁ、寝坊したけど。」
「「やっぱりね!」」
「分かったからステレオで喋らないで。・・・っていうか二人とも顔色が最低よ?」
「いやー兄弟!さすがわが友は鋭いことだね!」
「あぁ。僕らがに隠し事をできないのは昔っからさ!」
「はいはい。で、何があったの?」
「聞いて驚かないでくれよ?」
「何しろ僕らは最低な思いをしたのさ。」
「で、何?」
「素っ気無いなぁ。ディメンターだよディメンター。」




彼らの言葉が信じられなかった。ホグワーツ特急にディメンター?何よそれ。




「何ならパーシーにでも聞いてみろよ。」
「ちなみに我等がお兄様はの破天荒な行動に眉間の皴をさらに濃くしてらしたけど。」
「うへぇ。2人から上手く謝っといてよ。」




寝坊癖のあるわたしは去年の新学期も同じような状態に陥って、箒でみんなに合流したために学校に着いてからパーシーに叱られたのだ。機嫌が悪くなったパーシーほど面倒くさいものは無い。






、アンタ乗らないの?」





いつのまにか私の隣には誰もいなくなっていた。( フレッドとジョージは違う馬車に乗っていってしまったらしい。 )声がした方を見てみればそこには案の定というか何というか。






「ジェシカ!」
「あんまり大きな声出さないで。今の気分は最悪なの。」
「あぁ、ディメンター。」





私の1番の親友でもあるジェシカがいた。彼女とは1年のときからずっと同室で、それも今年で5年目になる。そんな彼女と久しぶりに乗った馬車は何だかとても懐かしかった。






「アンタ、特急にいなかったでしょ?」
「寝坊したのよ。」
「それで良かったのかもね。こっちは最低だったもの。」
「ディメンターが?」
「それもあるけどパーシーがね。」
「そんなに?」
「何時にも増して眉間に皴寄せてたわよ。」
「え?それってもしかして
「もしかしなくてもアンタのせい。」
「助けてくれたり
「しないわよ。」
「ですよねー。」




9月になったとはいえ、まだ少し残暑が残ってるはずなのに背筋に悪寒が走った。今、目の前にいる友人はどうしてこんなに薄情なのだろう。( そんなことを言った日には親友であるはずの彼女にどうにかされそうだが。 )少なくとも私のホグワーツ生活の新学期は平穏には始まってくれなさそうである。



( 双子が好きなんです。ちなみにジェシカは固定。決して面倒だとかそんなわけじ(ry/////以前、途中まで書いてた群青メランコリーをリメイク。ヒロインと友達のジェシカが7年生から5年生になってます。)


(20080307→加筆修正20120321)



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