ドリーム小説



何て腐りきってる。








平手打ちされた頬を撫でながら僕は男子寮へと続く階段を登っている。あの女、思いっきり僕に平手をかました。いったいどんな神経をしてるのか知らないけれど、僕の本当の本当の気持ちには気が付かないらしい。あんな嫌悪のこもった目で視られるようなことしたんだから当たり前か。僕のキスは高いって言うのに、あの女、ほんとに失礼しちゃう。・・・なんてね。







「リーマス。」
「やぁ。」







男子寮にはジェームズがいた。正直言って今の僕が1番会いたくなかった男だ。まったく腹が立つ。ほんとデリートしちゃいたいくらい。まぁ、それでもアニメーガスになってくれたことにはいくら感謝してもしきれないし、深層心理ではきっとこの男のことを嫌いではないんだろうけど。(僕って素直じゃないから。)









「それで?とはヤれたの?」






やっぱり僕はコイツのことが大嫌いなのかも知れない。いや、間違いなく嫌いだ。その余裕っぽい態度がムカつく。僕のこの特異体質がなければ僕だってあの女・・・に、もっとちゃんとしたやり方で近づけたかも知れないのに。(シリウスみたいに誰彼かまわず優しくするなんてまっぴらごめんだけど。)






「残念だけど、まださ。そういうのには段階ってものが必要だろ?
 僕はジェームズみたいにいきなりガッ付くのは嫌だしね。」
「・・・ひどいなぁリーマス君!そんな僕を発情期の牡鹿みたいな言い方!
 いや、でも彼女とのベッドの上はすごく良かったけどね。」







そう言ったジェームズの瞳は誰かに似ていて。僕は既視感をおぼえた。・・・・あぁ、中庭でのの目にそっくりだ。どうしてどいつもこいつも僕のことそんな目で視るんだろ。本当、腸が煮えくりかえりそうなんだけど。






「本気で君にスコージファイを使いたくなったよ。」
「リーマス、良い笑顔してるよ。
 でも、その呪文は人に向かって使っちゃいけないんじゃなかったっけ?」
「そうだったかな?あまりに苛立ちすぎて忘れちゃった」
「君はほんとにが好きだよね。」






あまりにもイラついたからジェームズの顔を一瞥してからカーテンを思いっきり引いてやった。ジェームズは「やれやれ。」なんて言いながら僕が入ってくるまで読んでいた本に目を戻したみたいでカーテンの外からはそれきり何も音がしてこない。








何だってジェームズはあの女を彼女にしたのだろう。と付き合うんだとばかり思っていたし、付き合ってほしかった。悔しいけどはジェームズが好きだし、僕だってジェームズのことが嫌いではない。がジェームズのステディになれば彼女は届かない人になるからこの気持ちだって早々に燃えないゴミの日に出せたのに。狼人間と人間のハッピーエンドなんて聞いたことがないから。








どうしてこんなに世界は上手く回らないんだ。僕は僕自身をに見つけてほしくなってしまう。は僕のこと何も知らないのに。多分、僕が紅茶に何個ぐらい角砂糖を入れるかとかハニーデュークスで限定販売されるチョコレートがとても好きだとかそんなこと微塵も知らないんだろうなぁ。







ベッドに仰向けに寝転んで腕に顔を押し付けて止め処なく溢れる涙を止める術なんて僕には分からないんだよ。




月 が 嗤 う



(君が僕を救い出してくれたなら。)



(救われないリーマス氏。)


(20081108)



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