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なんて狂っているのだろう。 ひとつの恋が終わった。5年間と少し。あたためにあたため続けて手に入れたのはあたたかい気持ちと醜い嫉妬と人のために流す涙。なんだって私は彼のことが好きだった。彼は何でもできた。にぎやかな喧騒の中、それが彼の場所だったし彼のまわりにはいつも誰かしら人がいて彼の言う言葉を本当に楽しそうに受け止めていたから。 私は、そんな彼が、好きで。 「。」 「!?・・・リーマス。」 私はこの男が苦手だ。総評的に言わせてもらうとただただ胡散臭い。この人の瞳にも言葉にも表情にもどこにもこの人はいない。この人はいつだって殻を被っている。私はそれに気付いているけれど見て見ぬふりをしている。めんどくさいから。私はいい人ではないし、この人だってそんな救いを私なんかに求めていないだろう。今だって何をするわけでもなく私の隣に腰を下ろそうとしている。(私の許可を取ったりしないのだ。この人は。) 「1ガリオンだ。」 「覚えてたの。」 「生憎と僕は貧乏でね。こんな良い話に乗らないはずがないだろう。」 そう言うと彼は私に手を差し出した。細くて血色のない指。それは触るととても冷たそうで。・・・もしかしたらこの人は人間じゃないのかも知れない。それとも、自分の象牙色の肌と違って真っ白だからそう思うだけなのか。生憎、私の思考は考える力を失っていた。お昼のニュースが衝撃的過ぎたせいだ。 「君は馬鹿だ。」 「やぶからぼうに。」 「僕はこれでも一応アイツの親友だ。」 「・・・そんなこと知ってるわよ。あなたを含めた3人は我が寮のアイドルじゃない。くだらない。」 最後のひとことは聞こえないように。(この人は地獄耳だからもしかしたら聞こえたかも知れないけど。) 「そんなくだらない3人のうちの1人を好きになったのは君だ。」 「・・・・・・。」 「それから、無様にも親友に寝取られたのもね。」 やっぱり私はこの男が大嫌いだ。温和そうな顔をしているくせにときどきひどく冷たい瞳で私を侮蔑する。この人の笑顔は胡散臭さの塊だし、私はそれを見るたび彼の瞳をえぐりたくなる。(そんな瞳で私を、見ないで。) 「彼は私のものじゃなかったしあの子は寝取ったりなんかしてない。」 「そんなのは綺麗ごとさ。あの女は体を使ってアイツに迫ったに決まってる。」 「そんなこと・・・ 「酷い話だね。あの女は君がアイツを好きだって知っていたのに。」 「それは・・・ 「ま、アイツも男だったってわけさ。は利用されたわけ。」 分かってたって口にしなくたって良いと思う。痛いところをつかれてしまった。私は、一時的に彼に必要とされて、そして一時の夢で彼の彼女だと、そう勘違いしてしまった。ただ、それだけ。 「君は本当に馬鹿だなぁ。」 そう言うとリーマスは私の方に体を向けた。また私の嫌いな瞳で私を視る。 「何よ?」 精いっぱいの強がりも無理に突っ張った態度もみんなみんな無効にされてしまった。深くて長いキス。この男は最低だ。私の張り手が飛んで静かだった中庭にエコーのように広がった。 「最低。」 溢れんばかりの嫌悪と憎悪を瞳に込めたのだけれど私はリーマスにいつもの仕返しが出来たのだろうか。私が大嫌いなリーマスの瞳のような目で彼を視ることが出来たのだろうか。それはリーマスにしか分からないけれど。走っている体が鼓動が速い。リーマスの言うとおり彼女は彼に迫ったのかも知れない。彼女に限ってそんなことはしないと思うけれど人間は分からない。もしかしたら彼と彼女は前から懇意の仲で私だけが良い様に利用されて空回っていただけなのかも知れない。そう考えるとなんてくだらないんだろう。 (私はこのまま2月の空に混じって消えていければどんなにいいかってこのときそう思ったの。) (久々の連載はダークダークダーク!← リーマスを筆頭に親世代はほぼ黒いです。季節に見合わない話を書くのがどうも苦手なので(例えば冬に夏休みのお話とかね。)寒くなるこの時期に真冬のお話を。感想等いただけたら管理人の意欲もあがると思われます。(ClapはTEXTページ上部にございますよ←コイツ)) (20081103) ←Top Next→ |