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なんかモヤモヤする。 姉ちゃんがひとり暮らしをやめて帰ってくるって聞いたとき、嬉しい反面なんか嫌な予感がめっちゃしとった。案の定、姉ちゃんが家に帰ってきてから俺の知らんかった姉ちゃんがいっぱい見えて俺は意味の分からんモヤモヤに悩まされとる。(先輩曰く俺はシスコンってやつらしい。否定出来やんとこが悔しいわ。) 「財前くん!」 「何?」 「財前くんのお姉ちゃん、めっちゃべっぴんさんやん!」 「あー、先生めっちゃ可愛いよなぁ。ミルキーが大好きなんやって。」 姉ちゃんがミルキー好きなんは昔っから知っとるっちゅうねん。しかも姉ちゃんが好きなんはストロベリーじゃボケ。んなことも知らんのか。・・・あー、俺、女子に嫉妬してどうするねん。 「ミルキーのストロベリーが一番好きやねんて。な、財前。」 「えっ、あー!白石先輩!!!」 「今日は、財前くんのお迎えですかー?」 ほんま女子ってうっさい。だいたい白石先輩そんな騒ぐような人ちゃうし。ふざけたりとかめっちゃするし、ちゃっかり部活サボったりするし、ほんま部長としてどうなんって人やのに。・・・ちょお待て。何で白石先輩がここにおんねん。しかも姉ちゃんの好きな味、何で知っとんねん。あー、イライラするわ。 「財前、今日もメンタルトレーニングするか?」 「いらんわ。」 「機嫌悪いなぁ。今日も部活でしごいたろ。」 そう言うと白石先輩はまわりの女子に無駄に笑顔を振りまきながら俺の腕を掴んで歩き出した。(ちょ、めっちゃ力強いわ!痛いっちゅうねん!)教室のドアを抜けた途端に静寂が襲ってきてなんやめっちゃ気まずい。 「財前、お前もっと大人にならなアカンって。」 「何すか。いきなり。」 「姉ちゃんの話ふられるたんびに怖い顔しすぎや。」 「俺、態度には出してませんやん。」 「まぁ確かに。・・・ってめっちゃ出とるっちゅうねん!」 「ナイスノリツッコミっすね。」 「ふざけとる場合やなくて、お前の場合メンタルが試合に影響しすぎや。」 「そこそこ頑張りますわ。」 「お前なぁ。」 白石先輩はまだブツブツ言うてたけど腕を振り払って自分のロッカーの前で着替え始めた。(くっついとったら着替えられやんしな。)・・・だいたい言われやんでもメンタルが試合に影響しとるやなんてわかっとるっちゅうねん。しかも、何で先輩が姉ちゃんの好きなミルキー知っとるか聞き忘れたし。俺はムシャクシャしたまんま部室を飛び出してウォーミングアップ中の忍足先輩の横で同じようにウォーミングアップを始めた。 「白石の説教から逃げてきたんか?」 「よう分かりましたね。」 「おぅ。お前最近、試合の調子悪いからな。白石も心配しとんのやぞ。」 「はぁ。忍足先輩も説教っすか。」 「説教ちゃうわ。・・・お前、姉ちゃんをみんなにとられたみたいで悔しいんやろ?」 「何なんすか。いきなり。」 「まぁ、あんなべっぴんさんの姉ちゃんやったらシスコンなるんも分かるわぁ。」 「シスコンちゃいますて。」 「嘘こけ。・・・まぁえぇわ。でも、あの人もう25ぐらいなんやったら結婚適齢期やん。」 「結婚て・・・。姉ちゃんもろてくれる物好きなんておらんでしょ。」 「お前、分かっとらんなぁ。・・・ま、その時が来てもダダはこねたらアカンで。」 忍足先輩はそう言うたきり黙ってしもた。・・・姉ちゃんが結婚。先輩には、あぁ言うたけど俺かて姉ちゃんはなかなかのべっぴんさんやと思う。もしかしたら職員室におる先生の中にも姉ちゃんのことが好きな奴がおるかも知れん。なんやそう考えるとむしょうにイライラしてきた。俺と姉ちゃんは11個も年が離れとるから俺が10歳になる頃には姉ちゃんはもう既に一人暮らししとって、弟の俺でさえ会えるのは1ヶ月に1回とかやった。たまの休みに帰ってきた姉ちゃんは色んなところに連れてってくれたりしたし、俺の親はかなりの放任主義やから俺が遅く帰ったりして姉ちゃんが心配してくれたりすんのが嬉しかった。そんな姉ちゃんやから結婚とかすんのは意外ともうすぐやったりすんのかも知れん。四天宝寺への赴任が決まって実家の方が便がえぇからってやっと姉ちゃんが帰ってきて一緒に暮らせるようになったのに。 あぁ結局、やっぱり俺は先輩らの言う通り俺だけの姉ちゃんやった姉ちゃんがみんなの先生になったんが悔しいんや。ほんまは「俺の姉ちゃんや。」ってみんなに言うたりたい。・・・まぁ、俺は「クールな財前くん」で通ってるらしいからそんなことせぇへんけどな。 (財前くんがすごいシスコンに!ちなみに「べっぴんさん」って中学生はあんまり使わないです。 苦笑 オサムちゃんって確か公式では27だった気がするんですけど、この話の中では25ってことにしといてください。・・・捏造バンザイ!←) (20090210) ←Top Next→ |