ドリーム小説




まさか、こんなにカッコ良くなっとるなんて思いもよらんかった。あの時より5センチは身長伸びたやろうし、声も低なった。(タバコのせいやろか。)声を聞いた瞬間に自分が高校生に戻ったようなそんな気がした。




「姉ちゃん、白石先輩には気ぃ付けや。」
「白石くん?なんで?テニス部の部長なんやろ?」





声をかけてきたのは弟の光で、あたしは質問の意味がいまいち分からず適当に返した。だいたい白石くんっていうのはテニス部の部長のはずや。その人に気をつけろ?自分の先輩やのに信頼してないんやろか。





「部活の仲間は信頼せなアカンやろ?」
「…姉ちゃんは危機感無さすぎや。」






人生の先輩としてアドバイスしたったのに、光には思いっきりため息つかれた。(いつからこんな可愛いげのない子になったんやろか。)






「…そういえば姉ちゃん、オサムと知り合いなんか?」
「へっ?!あ、あぁ、同じ高校やったんよ。」
「ふーん。」






光の機嫌が何でかめっちゃ悪くなった。いくら弟とはいえオサムと付き合っとったことは言えへん。(それに何でか知らんけど言ったら光の機嫌がさらに悪くなりそうや。)






「もう、テニス部に差し入れすんな。」
「えー、何で!?」
「気ぃ散るやろ。」
「ちぇー。」






差し入れすんな言われて思ったよりもショックを受けたあたしがおる。テニス部だけじゃなくて他の部活にも差し入れしとるけど、多分他のクラブの子に拒絶されたってここまで落ち込まんと思うんやけど。






「とにかく、もう来んなや。」
「はいはい。」





昔から、あたしは光に甘いと思う。10個以上、年が離れとるから当たり前かも知れやんけど、やっぱり弟は可愛い。






「早く行かな朝練、遅刻するで。あたしも、そろそろ家出るし。」
「おぅ。」





のんびりご飯食べとる光を急かす。光は朝が苦手やから、いつもめっちゃ機嫌悪いんやけど今日はまだマシや。あたしも後片付けをして学校へ行く支度をはじめた。







「行ってきます。」
「行ってらっしゃーい。」






光を送り出して(あたしが帰ってきてから、お母さんは朝寝坊するようになった。)あたしも家を出る。車のエンジンをかけたらちょうどラジオであたしの好きな曲がかかっとって嬉しくなる。











「おはようございます。」
「あー、おはようございます。」






普通に挨拶しただけやのに心臓の鼓動が速くなる。いやいやいや、そんなんおかしいわ。あたしとオサムはとっくの昔に別れた、ただの何処にでもおる元彼・元カノなだけや。











「財前先生、あたし財前くんのこと好きなんです。」顔を赤らめてそう言う彼女が遠く向こうの方におるような、そんな気がした。あたしは結局何がしたいんやろ。仕事に私情は持ち込んだらアカン。それだけはハッキリ分かっとる。答えは自ずと出とって、あたしは一教師として周りともオサムとも関わって行かなアカン。頭で理解して態度で示せばそれでえぇはず。・・・そうやんな?ほんまに?この気持ちは気付いたらアカンもんやった?







隣の席の白井先生はハッキリ言って苦手な人種や。そう、さりげなく誘いとかお断りしとんのやけど、全然気付いてくれへん。先生の言ったひとことに怒りが爆発してしまいそうやったけど何とか押し込めて営業スマイルでのらりくらりと。誘いには絶対乗らへんように。始業の時間が近づいとんのに全然、解放してくれへん。(ほんまこのオッサン。)







やっぱりオサムはあの頃と何も変わってなかった。さり気なく助けてくれたことに気付いて嬉しくなる。この人はいつだってそうや。昔から、あたしが辛いときには絶対助けてくれた。そやからあたしはあの受験期にオサムの手を離したんや。自分のことだけでも精いっぱいのあの時期に、あたしのことでさらに負担をかけへんようにって。それが間違ってたかどうかなんてあたしには分からへんけど、それでもあの頃のあたしにとっては最大の決断やったから。多分、受験なんかよりよっぽど大事なことやって思ってたし。まぁ今更、グチグチ言うたかて何も変わらんのやけどね。



(本当はさんもオサムちゃんに挨拶する時とかドキドキしてました。って意味でお題に添えたんじゃないかと思います。に、しても更新停滞しすぎですね。これは他の連載にも言えますが、徐々に徐々にペースを戻したいです。そして日記にも書きましたが2月中に出来れば「アイリス」完結させたいです。頑張ります。あ、いまさらですけどこの話、名前変換なくてすいません><←)


(20090205)


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