|
気だるい午後の日差しを受けながら中庭の木に身をまかせて、太陽の光に映える赤が何だか少し疎ましい。足を投げ出して空を見上げながらとりとめもないことを次から次へと考える。 「あー、暇。」 「お前それ、僕がいるのを分かってて言っているのか?」 「そうだけど。」 光に反射した緑が純粋に綺麗だと思える。私の赤と彼の緑。決して悪い取り合わせではないと思うんだけれど世間はそうは思ってくれない。私の赤と彼の緑はいつだって交わることがないのだ。私たちが、こんな場所で会っていることだって本当はいけないこと。赤と緑はただでさえ仲が悪いのに私と彼には混血と超一流の純血だなんていうくっだらないオマケまでついているんだから。 「おい、僕の話聞いてるのか。」 「何?」 「今度のホグズミードの話だ。」 「レギュラスがそんな話するなんて珍しい。」 「僕だって普通の学生だ。」 彼の言葉が少し痛かった。私も彼も同じ16歳のはずなのに私には彼が背負っているものの3分の1も理解できない。それに、『一緒に背負ってあげようか?』なんて口が裂けたって言えない。(そんなことを言った日には、私ブラック家に消されちゃうかも。・・・なんちゃって。) 「今度のホグズミード一緒にまわってくれるの?」 「・・・あぁ。」 「ありがとう。」 「別に気にするな。」 「うれしいなぁ。」 「そうか。」 「うん。だって、ホグワーツからホグズミードに行ける日ってもう数えるぐらいしか残ってないんだよ?」 「そう・・・だな。」 言ってから後悔した。だってそれはすなわち私とレギュラスが一緒に居られる日々があと少ししかないって言ってるのと同じだから。彼はここを卒業したらきっと死喰い人になってしまう。それにシリウスが家を出てしまったからブラック家の跡取りはレギュラスだ。多分、私なんかよりずっと綺麗な格好をした人と結婚をして跡継ぎを作ってそれで・・・・もう考えるのはよそう。辛い。胸が張り裂けてしまいそうだ。ねぇ、私が今まででこんなに大切に思えた人はレギュラスだけなのに。レギュラスは決して私と同じ道を歩もうとしてくれなかったね。(私は卒業したら騎士団に入るつもりだ。) 「どこか遠くへ逃げてしまおうか。」 「何を・・・」 「ふたりしか知らないところ。」 「・・・・・。」 「なんちゃって。」 沈黙が痛かった。そこは、「僕もそうしたい。」とかそんな返事がほしかったのに。こんなことで泣いたりしちゃいけないのに、このままここに居たら本当に泣いてしまいそうだ。談話室に帰りたくて仕方ない。リーマスの淹れてくれた紅茶を飲んでリリーに慈しまれながらジェームズの冗談に笑ってシリウスとは軽口を叩き合う。そんな日々が懐かしい。戻りたい戻りたい。あの頃に戻って、今まで恥ずかしくてたくさん飲み干してしまった言葉たちを彼らに、そしてレギュラスに伝えたい。 「は馬鹿だな。」 「何よ。」 「僕は騎士団に殺されるなんていうヘマはしない。」 「え・・」 「執念深く生き延びて、それでいつかに会いに行ってやる。」 「は?」 「『は?』とは失礼だな。分からないのか。」 「ぜんっぜん。」 「あのなー。つまり・・・」 「つまり?」 「僕には自信があるんだよ。」 「何の?」 「さぁね。」 「はぐらかすなんてずるい。」 「まぁ、あと1年で嫌って言うほど分からせてやるよ。」 レギュラスの言っている言葉の意味はいまいちよく分からなかったけれどレギュラスがあまりにも楽しそうに笑うから『まぁいいか』なんて思ってしまった。そんな私は本当に調子の良い女かも知れない。それでも、レギュラスとこうやって何気ないことで笑っていられるのはとても幸せだと思うから。(だって、彼の本当の笑顔なんて私ぐらいしか知らない。) 幸福の定理 ↓反転で後書き↓ レギュたんwwwww← この話はレギュラスに愛されたいなーっていう妄想のもとパーッと書きあがりました。 ひとつ文章を書けばもうひとつ文章が出てきて、なんてそんな感じでした。 また、この話は甲斐名都さんの「夏嵐の夜」を聞きながら打ったので ちょっとその歌の感じが出てるかななんて思います。 では、ここまで読んでくださってありがとうございました! 拍手ありがとうございます。 メッセージをくださる方はお手数ですが拍手ページからお送りください。 (20080418) |