ドリーム小説





「何、やってはるんですか?」





別に深い意味はない。本当の本当にただの興味本位で聞いただけ。サボろうと思って登った屋上で女の人が歌を歌ってたから。(しかもなかなか綺麗な声やし。)





「この曲、綺麗やと思わん?」
「そうですね。」
「でも、何か切ないやろ・・・財前君。」




話がかみ合ってるようでかみ合ってない。それにしても・・・断言してもえぇ。俺の知り合いにこんな人はおらん。(こんな綺麗な人、1回会うたらいくら女子特有のキャーキャー声が苦手な俺でも忘れへん。)





「やっぱり、あたしのこと知らんか。2年のゆうんやけど。」




やっぱり先輩やった。こんな人が俺の名前知ってるやなんて男子テニス部にちょっとだけ感謝。




「初めまして。」
「初めまして。」





そうやってちょっと笑った先輩は純粋に綺麗やと思った。





「白石とか千歳とか私に財前君の話いっぱいするからちょっと知り合い気取りたかってんけど。」
「ほんまですか。俺、先輩の話聞いたことないですよ。」





もし俺が先輩の知り合いやったら多分、男テニの誰にも喋らへんやろうから千歳先輩とか部長の気持ちは分かる。もし話題に出すとしても先輩のことを知っとる人とのあいだでだけやと思うし。(それでもなんかズルい感じがする。うん、やっぱり先輩はずるい。)





「財前君のことは色々聞いとるよー。」
「え・・・例えばどんなこと言うてました?」
「お洒落やとか・・・あ、でもテニスにピアスはいらんやろとか言うてたけど。」




先輩ら、お洒落言うてくれたんは嬉しいですけど、最後のは大きなお世話ですわ。




先輩はこのピアスいらんと思います?」
「いらんとは思わんなぁ。ピアスは財前君の個性やし。」
「ですよね。」




何かこう胸んとこがくすぐったかった。




「実は私も3つ耳に穴開いとるんや。」
「先輩もピアス付けてるんですか?」
「うん。めっちゃ好きやねん。」






自分に言われたわけやないのに先輩の『好きやねん』に予想以上に反応してしまった。(顔、赤くなったりしませんように。)





「全てが初めて今日がもう来ないことを知ったのも初めて林檎飴が紅い
 そして私は生きている!今日現在を歩いているんだ」
「さっきの歌の続きですか?」
「そう。財前君とこれから先『初めまして』はもう絶対言われへんなー思て。」
「確かに。今度会うたときは俺らもう知り合いですよー。」
「もしかしたらもう会わへんかも知れへんし。」
「そんな寂しいこと言わんとってくださいよー。テニス部の練習見たりせーへんのですか?」
「あー、絶対無理。あの女の子らめっちゃ怖いやん。鬼気迫るーって感じやし。」
「確かに。じゃあ、メアド教えて下さいよ。」
「んー、まぁえぇよ。」





赤外線でえぇ?なんて聞きながら先輩はもう赤外線で送る気まんまんや。それにしても・・・「もう会われへん」言われたとき不思議と焦っとる自分がおってびっくりした。(多分、普段の俺はそんなキャラやない。)





「よし、登録出来ましたよー。」
「うん、じゃあ、私は教室帰ろかな。」






先輩は階段へと歩き出す。何か話題話題、明日からのメールで何か盛り上がれるように・・・あ、もしかしたら





先輩!」
「何ー?」
「その曲、何ていう題名なんですかー?」





御祭騒ぎ
(その日の帰り俺がCDショップで東京事変のCD買い漁ったんはここだけの秘密。)




↓反転で後書き↓
思いっきり自分の嗜好を反映させてみました。
東京事変(林檎さんももちろん)大好きです^^^
そして財前君がすごく純情ですね^^^←
何か可愛らしくて良いです。しかも積極的vvv←
ずっと苗字呼びされる短編は初めて書いたような気がするので
そういう点でも書いてて楽しかったです。



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(20080324)

※引用:◆東京事変「御祭騒ぎ」